2025-06-06
自転車、大好き
梅雨入り前の晴天、奥多摩へサイクリングを楽しんだ。

風張林道を抜けて奥多摩周遊道路最高地点に至る。湖へのダウンヒルで初夏の風をおもいっきり感じ、周遊道路をまた戻って五日市にへ抜ける……かなり欲張りなコースだ。

清流を眺められるサウナを備えるピザ店に立ち寄れば、カップルが川岸を水着で歩いている。

妻を誘っても断られるだけだから、まあ、黙っておこう。

すれ違い、また追い越していったバイクは数知れず。

そのかっこいいコーナリングは、ちょっと自転車には危険すぎるようだ。

写真は、ピザ店のおいしそうなパンに触発されて今朝焼いたもの。

2024-12-31
大晦日
いそいそ大晦日、正月を迎えるにあたって皆さんはどう過ごされていらっしゃいますか?

家族の朝食に間に合うよう、早起きして今年最後のパン焼き(全粒粉くるみパン)。

発酵を待つ間に、散歩に行ったりあったかなコーヒーで本を読む。

せわしい臨床をはなれたひとときをたのしみました。

義理の父が育てた小麦を精製した全粒粉1/3。

多少シャリシャリですが、ナッツがふんだん、フィグ入り、自家製ならではのアレンジでしょう。

良い御年をおむかえください!

大晦日

大晦日

大晦日
2024-12-13
潮風
学会帰りに小豆島へ立ち寄り、海沿いに電動チャリを漕いでみました。

駐輪場でHello Cyclingなるアプリをダウンロードしてカード決済すれば直ぐ乗れるはずであったが、入力を途中で間違えて苦戦した。

船に同乗していた英国人の若者に、「アプリでわからないことがあったら、聞いてくれ」と冗談を飛ばしたが、彼は「お先に!」とばかりに颯爽と走り去っていった。
2024-11-01
休日サイクリングは偶然の出会い
風張峠経由で奥多摩周遊道路へでて、奥多摩湖へ下り、紅葉前の湖畔を散策、再び周遊道路をのぼって五日市に戻った。

浅間尾根駐車場、妙技のようなドローンの操縦を見かけたので、お話を伺ったらところ兜屋旅館のご主人でいらした。

「アップされている動画を御覧下さい」と、兜屋旅館の玄関口で偶然またお目にかかったので、渓流を眺めながら歓談を楽しませていただき、図々しくもアクアポリンの水とコーヒーを頂いた。からだに染み込む水とはこれなんだなあ、と実感。

海外からも動画や画像に関して問い合わせが来る程の腕前におもわず唸り、妻や子供たちと食事に是非お伺したい。

兜屋旅館 https://kabutoya.net/

空撮アルバム https://vimeo.com/showcase/4881836

 

2024-11-01
デラックスなサワードゥブレッド
ライ麦と全粒粉のサワー種を半々使って焼きました。クランベリー、チョコ、ココナッツ、ナッツ三種類とフィグ入り。一次発酵は冷蔵庫一日、290℃13分、230℃10分の焼成。ヤバいおいしさです。

 

https://youtube.com/watch?v=qMJnoub-kJs

2024-10-18
香ばしいハード系のパン


「パン屋のサッちゃん」は自家製酵母でパン焼きを楽しむ人にはお勧めのYouTube。

親戚が来るので、市販ではあまり見かけないライ麦パンを焼いてみた。

400gの小麦で2個。

酵母菌にエサやりを週一回のペースで続けるので、パン作りもそれに合わせている。

わからないことだらけなのだが、未知の世界がさらなる興味をそそる。
2024-10-11
雨降り模様


雲行きが怪しい。1000mの峠で雨脚が強まりズブ濡れとなる。

「下りは颯爽と風を切ろう」なんて浅はかな期待とは裏腹に、ただ寒い。

走ればからだが温まるとおもって、自転車を片手で押しながら走っていたらあらたな林道をみつけ、あらたな光景を目にした。
2024-10-11
エアーフローによる歯面清掃


歯並び治療でも、「口腔衛生」はとても大事!

このところスイスEMS社のエアーフローをよく使います。

スゴイ頻度!!

治療前・後、定期観察、装置を接着する前、また保護者の方へ歯磨きが完璧な状態を体覚していただくために。

写真は50代の女性で、日頃デンタルフロスもし、素晴らしい清掃状態ですが、染め出すとやはり少々プラークがあります。

はじめて「えあーふろー」変換したら「エアー不老」‥‥悪くはないですね。
2024-09-27
今季最後の栗拾い


また奥多摩周遊道路をクロスバイクで楽しみ、栗拾いに精を出した。

収穫は4㎏くらいかな?

鍋三個で茹でて、小粒の山栗だから食べやすく半分に切って冷蔵庫に保存。

娘の一人はスプーンで掬う手間も面倒とばかりに、そのまま器用に噛んで身を押し出す特技を習得した。

「あまり噛むと渋みが出るよ!」

と指導してくれた。
2024-09-20
栗拾いサイクリング


休診、晴となれば自転車。

急勾配で名高い風張峠を抜けて奥多摩周遊道路へのぼり佛沢の滝にもどる、クロスバイクにはうってつけのコース。

フルカーボン軽量なので、ペダルの踏み込みは電動のように軽い。

周遊道路は車とバイクがコーナリングを楽しめるの場所で、運転手は道ばたの無数の栗には気づかない。

帰りはリュックサックに拾い集めた山栗を詰め込んみ、爽快なダウンヒル。

この季節ならではの小さな山栗だが、包丁で半分にしてスプーンでほじくる食べ方でも忍耐力がいる。

 

2024-09-13
「食べられるか否か」




キノコの名前はスーパーの食品売り場で間違えるくらいだから、所詮きいても覚えられないと私はあきらめている。

でも「食べられるか否か」は知りたい。

 

ところでアライナー矯正歯科治療の患者さんが徐々に増えてきた。

適応症の慎重な選択や、ときにはリカバーの繊細な技術が必須の治療法として知られるが、診断とプログノーシスの大切さはかわらない。工学技術とソフトウェアーの進歩に、時代の風潮が加味されて、結果、歯並び治療はあらたな局面を迎えている。

「開咬症例にはアンカースクリュー(皮質骨へねじ込むチタン製ビス)を植立しなくても大臼歯の圧下移動がある程度は可能になったので、オープンバイト(開咬症例)には有利だ」と、知人のメールからは喜びと意気込みが伝わってきた。

以前かれの診療所を見学した折、インビザライン関係図書にもめったに目にすることのない見事な仕上がりの難症例をご教授いただいた。

キノコ狩りの名人でもあるかれに、さっそく山で見かけたキノコをみてもらったら、「たまごだけ」といそうだ。

昨日は砂利道OKのロードレーサー(タイヤ:700C×35mm)で山の麓へ行き、歩いて鎖場と悪路の山へのぼる定番のコース。

チャリで下るときはフロントフォークが折れはしないかと思う衝撃が、手から首へ伝わり、クロスバイク専門店のブログあった「酷道」「険道」なる言葉が頭に浮かんだ。

でも体力の限界までペダルを漕ぐ瞬間、心は高校時代にもどる。

 



2024-09-08
どこからいらしたんですか?


養沢神社から急登のサルギ尾根を経て上高岩にのぼり、鎖場をくだってロックガーデン(御岳山の有名な岩石園)に至るコース‥‥筆者のお気に入りだが、いまだ人に出会ったことはない。

ところで休日のロックガーデンは、御岳ケーブルで気軽に行くことができて「東京の奥入瀬渓谷」と喩えられるほどの賑わいをみせる。神社のある御岳の町自体が、霊山にとけこんだ不思議で魅力的な観光地である。

ロックガーデンでひとりのアジア系の女性が坐り込んでいたので、

「コンニチワ、どこ(どのお国)からいらしたんですか?」ときいたら、

From the mountain.

よく伝わっていないようだ。

くたくたに疲れながら「ロックガーデンに行きたいんだけど、どこにあるですか?」と訊かれて

This is exactly where we are!と励ましたら、にわかに元気が湧いていらしたようだ。

異国の初めての土地、しかも山のなかとあっては、だれでも不安を感じるものである。

美しい自然はおのずと人の心まで和ませる。今回は(も)都会ではめったに体験できない出会いに恵まれた。

 

2024-08-17
龍蔵神社


石船山龍蔵神社は、八王子の最高峰 醍醐丸へ向かう途中にある。

上恩方から案下川に沿って自転車で和田峠へ、そこから陣馬山を登り、かえりは醍醐林道を下るコースの途中、訪ねてみた。

むかしやけどを負った赤ちゃんの回復祈願にその母親が通い、「ついに願いが叶った」、ときいたことがあるが、創建は平安後期に遡ると知り、おどろいた。
2024-08-06
夏の富士


 

雲海

「白雪にくろき若衆や冨士まうで(宝井其角)」

吉田口から山頂を目指して富士に登る。陽ざしがヒリヒリと肌に射す。

ここ数年は輪行で河口湖から自転車でスバルライン三合目へ、ノンビリ巡礼道を観光客で賑わう五合目へ向い、お中道をぐるりと回って御庭に至り、そこから鬱蒼とした森林を抜けて三合目にもどるコースを楽しんでいた。ながらく麓の豊かな植生に魅了されてきたのである。

今回は、壮大な雲海とつきぬける空を、家族とともに満喫した。



 

 
2024-07-29
花火
小屋涼し 花火の筒の わるる音

涼を楽しむ江戸の句だ。

夕涼みとはいかなかったが、毎年心が浮かれるこの季節、むすめ等と妻とチャリで会場に向かった。

 

2024-07-29
あけてびっくり、玉手箱
 

知人からの贈り物に家族一同歓喜した。

「チョー、ナイス!(妻)」。

高知でご開業の素晴らし専門医で、粋なお心遣いには、ただただ感謝。

嬉しさあまって、ヒグラシの声をききに小宮公園へ夕涼みへ出かけ、帰りは浅川から大岳山を臨んだ。
2024-07-20
豪快なダウンヒルが楽しめる道


はじめて友達等とここを訪れたのは小学時分。内緒で七人、午前二時に集まり、ところどころ凍結する道を八王子から奥多摩湖、奥多摩有料(昭和47年開通当時の名)を抜けて五日市経由で八王子へ戻った。おそれ知らないガキどもは途中で水が尽き、渇きのなかで風張峠に着いた。

一番欲したのは、水だった。

今日はデイトナという電動チャリで風張林道を経由して五日市に下りる、いつものコース。

車では気づかずに通り過ぎてしまう風景、沢、ヒグラシや野鳥の声、さわやかな風を、自転車なら存分に味わえる。

平均15%の登りは電動でも立ちこぎを余儀なくされるが、小学時代の鼻水をたらしながらチャリを漕いだ寒空と登り道の喉の渇きをおもえばなんてことはない。

いや、恵まれすぎている。
2024-07-12
奥多摩周遊道路


 

五日市から北秋川を延々とのぼり、風張林道を抜けて奥多摩周遊道路最高地点へ出るサイクリングを楽しみました。先週は汗だくだくのクロスバイス、今週は霧雨の中の電動チャリで楽々ライド(予備電池搭載)。どちらも爽快!街中のポタリング自転車とはおもえない、しっかりした走りを見せてくれました!

下りはヒグラシの声を聞きなながらのんびりと....。

2024-02-02
春のRセミナー開催のお知らせ
2024-01-06
生物学原理 ⑲

Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)


臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した最大非侵襲・最大成果を旨とする、患者個々人に合わせた臨床思考だ. 時代ごとに現れる新技術・新知見を生物学原理から精査し、それらをどんどん呑み込んで発展する可能性は無限だ.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.

*アルファベット順 (生物学原理 ⑱の続き)


 

72. Utilize the buccal plane True buccal plane、機能咬合平面ともよばれる。厳密には弯曲を有する。第一大臼歯から小臼歯、乳臼歯が噛み合う面(二次元平面では「線」と表現)である。上下切歯切端の位置は、口唇のバランスや嚥下機能の影響を受けるため、Bioprogressiveでは採用しない。

 

73. Utilize Xi pont 下顎孔の位置に相当するXi pointの活用。下顎体軸(corpus axis)、下顎頭軸(condylar axis)、Oral gnomonの3つの計測で用いられる。セファログラムの分析項目のなかで、Xi点ほど計測項目が集中する場所はほかに見当たらない。V3が下顎骨に侵入する場所であり、蝶下顎靱帯が下顎小舌に付着することもその定位性に符合。正常咬合者の場合は成長が概ね終了するときに、True buccal planeを後方へ延長した線は、Xi point近傍を通過する。

 

74. Vertical growth (chin, mid-face) 難症例の特徴のひとつ。日本人はほかのモンゴロイドや Caucasian に比べて、(統計学的に)垂直成長の傾向が認められる。鼻閉・アデノイド・軟食の影響、あるいは開口癖や形質遺伝上の特徴かもしれない。一般論としては、垂直成長をもつ患者において、歯牙のサイズが大きく歯列の深さが不足し、上下口唇の長さが十分でない場合、小臼歯抜歯の比率は否応なしに高まる。Anchorageの強化だけではなく、さらにすすんで顔貌の改善を目的とした口蓋TADによる上顎大臼歯の圧下移動の試みが増えた理由のひとつでもある。

 

75. Vertical growth (ramus, condyle) “Suspender(側頭筋)” が付着する下顎枝内側の側頭筋稜は、下顎骨を吊り下げる支点となる。下顎頭と筋突起の垂直方向の成長にともなって、オトガイは前へ押し出されるように安定して成長する。したがって下顎頭と筋突起全体の垂直成長は、予後の予測、難易度の判定、円滑な治療進行の指標となる。

 
2023-12-29
生物学原理 ⑱

Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)


臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した最大非侵襲・最大成果を旨とする、患者個々人に合わせた臨床思考だ. 時代ごとに現れる新技術・新知見を生物学原理から精査し、それらをどんどん呑み込んで発展する可能性は無限だ.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.

*アルファベット順 (生物学原理 ⑰の続き)


 

67. Three types of abnormal swallowing ①Habitual / Atavistic、②Glossoptosis / Transitory、③Adaptive / Secondaryの異常嚥下3種類。成立原因にちがいがある。①;嚥下の初動位置からして舌と舌骨が高位、しかも舌全体が前方に位置し、しばしば下顎切歯の歯間部にはスペースが観察される。②;舌や舌骨の位置がC5, C6 levelと低く(*正常はC3-4あたり)舌全体が後方に位置し、嚥下のときに舌は一気に突出する。下顎切歯は叢生し、勢い余った舌に拮抗するように、嚥下時に異常な口唇閉鎖が顔貌からは観察される。③;②に舌の位置と動きは類似。しかし①②のように胎生期における舌の降下の問題ではなく、慢性的なアレルギー性鼻炎、咽頭扁桃の肥大により、開口癖や口呼吸へ舌が二次的に適応した異常嚥下。臨床でもっとも頻繁に目にする。口唇にも異常な動きが観察され、ふだんは口を開いたまま、下唇が肥厚し、乾燥によるひび割れまで認められることがある。①の是正訓練は舌骨を下げること(*あえて嘔吐する動作を習得する)、②③は舌骨を挙上し舌の後方を口蓋に密着させ、なおかつ舌の前方は下顎切歯の舌側に触れる状態を維持し、嚥下時にしっかりと歯をかみ合わせる集中訓練 (Ricketts 1, 2, 3 Exercise)。原因をなした扁桃の肥大や鼻閉はあらかじめ耳鼻科専門医に対処してもらう。Adeno-tonsil ectomyやトリクロール酢酸塗布法などが一般的。

 

68. Unlocking of the malocclusion 回復のポテンシャルの活性を念頭に置いた治療、もしくはそれに準じた処置。内包力の賦活と表現しても差し支えない。自力回復が望めないところに関しては、積極的に歯を動かしたり、若年者ではorthopedic alterationを計画する。Bioprogressiveの特徴をなすSequencial treatmentとは、段階的なunlocking処置と換言できる。なお機能上のunlocking、とくに呼吸の問題については、ENT specialistの正確な診断と加療が必要になる。

 

69. Utilize A-Po plane ①下顎切歯の角度と②切端の前後的な位置を、上下顎の相対的な関係(*Point AとPogonionを結ぶ線)を基準に判断すること。A-Po planeは下顎切歯の異常を判断したり治療目標を設定するときの優れた指標だ。顔面平面や下顎下縁平面を参考にする方法もあるが、下顎切歯は上下顎の相対関係でバランスを取る性質がある(*Compensationの原理を参照)ので、相対基準としてのA-Po planeを、Bioprogressiveでは採用する。

 

70. Utilize prefabrication E. H. Angle の最大の貢献は既製品による治療の簡素化された治療システム。患者ー術者双方の疲労と労力を軽減し、同時に治療の質の向上が図られた。個別化医療の実現にも、製品の規格化と既製品のさらなる活用は欠かせない。

 

71. Utilize pterygoid point V2(第5脳神経第二枝: 上顎神経)が頭蓋基底から翼口蓋窩へ出る場所(Pt point)。正確には正円孔が翼口蓋窩へ開孔するところ。ここは顔の成長中心だ。現在のオトガイの位置を見積もり、症例の難易度を判定し、重ね合わせでその成長中の変動を知るなど、Pt pointの発見を契機に、Ricketts’ Bioprogressiveは大きく前進した。

 
2023-12-28
生物学原理 ⑰


 

Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)


臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した最大非侵襲・最大成果を旨とする、患者個々人に合わせた臨床思考だ. 時代ごとに現れる新技術・新知見を生物学原理から精査し、それらをどんどん呑み込んで発展する可能性は無限だ.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.

*アルファベット順 (生物学原理 ⑯の続き)


 

63. Summary analysis セファログラムの、とくにLateral分析における重要項目を抽出した計測と、その統合解釈。Bioprogressiveの発展につれて計測点と計測項目が更新されていることには注意を要する。Facial axis, Mandibular plane angle, Oral gnomon (Lower facial height), Mandibular arc, Total facial height, Convexity, Palatal plane, L1 to A-Po(距離と角度), Upper molar to PTV, Esthetic plane, Cranial deflection, Cranial length anterior, Ramus height, Ramus position (Xi axisとFH planeのなす角度),  Porion location (Cranial length posterior、PTVから下顎頭後縁までの距離の方が便利), Corpus length‥‥など。別名「Ricketts分析」。解剖・生理学的に筋が通り、臨床をしっかりサポートしてくれる。

 

64. Sub-labial release 下唇のtightな緊張を緩解する外科手術。対象となる筋肉はQuadratus inferioris labii(下唇方形筋)。Caucasian人口の25%で左右の筋束が連絡するといわれる。筋束は下唇溝(sublabial furrow)を形成し、その過剰な束縛力によって、成長期中には下顎歯列全体が前歯叢生をともないつつ後退する。徐々に下唇が下顎歯列を後ろへ動かすので保定は至極困難、下顎切歯の叢生再発を来しやすい。Ⅱ級1類ではoverjetが増大、Ⅱ級2類の口唇では上顎前歯がやや舌側に傾斜し臼歯咬合がⅡ級傾向を呈する。Ⅰ級症例にもⅢ級症例にもときおり観察される。術式は An Interview with Dr. Ricketts参照。

 

65. Three-basic plane ①Basion-Nasion plane, ②Frankfort Horizontal plane, ③Pterygoid Vertical plane の3大基準平面のこと。Basion-Nasion plane: 神経(脳)頭蓋と内臓(顔面)頭蓋の境界面。Frankfort Horizontal plane: 人類が二足直立歩行を獲得したときの重力法線に直交する面、 Pterygoid Vertical plane: 頭蓋を前後に分ける面。Coronal suture complex(縦に走る冠状縫合複合体)に連続する。

 

66. Three-dimensional control 上下前歯の圧下、上顎切歯の歯軸コントロール、皮質骨を利用したanchorageの強化 (cortical bone anchorage)、皮質骨回避術 (cortical bone avoidance) 、Quad helix の buccal root torque、大臼歯や小臼歯の圧下‥‥ などがこれに該当。

 
2023-12-27
生物学原理 ⑯

Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)


臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した最大非侵襲・最大成果を旨とする、患者個々人に合わせた臨床思考だ. 時代ごとに現れる新技術・新知見を生物学原理から精査し、それらをどんどん呑み込んで発展する可能性は無限だ.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.

*アルファベット順 (生物学原理 ⑮の続き)


 

59. Sequences or progressions  Bioprogressive最大の特徴。一つ一つ着実にunlockingして、条件を整えながら治療を進めるアプローチ。Sectional mechanicsやUtility archは、Ricketts自らが “Sequences”の重要性を認識するにつれて展開していった技術そのものである。臨床観察やセファログラムによる確認によって、それが加速された。一度にブラケットを装着してCAW(連続アーチ)から治療を開始する術式に比べると、Sequencial treatmentは簡素であり、術者の負担が少ないばかりか、side effectにともなう生体侵襲も軽減される。いわば最小の労力で最大の効果を引き出す利点がある。なおunlockingとは、患者自らがもつ*内包力(*なんらかの原因によって潜在する治癒機転が妨げられている回復力)を引き出す処置全般をあらわした、医療全般に当てはまる言葉だ。

 

60. Slow palatal separation Quad helixを用いた正中(上顎)口蓋縫合拡大では、それに同調して新生骨が形成される。Buccal root torqueの力を皮質骨(key-ridge)に対して加え、新生骨の増生速度と一致して縫合部を広げる術式の利点を指す原理。一方、急速拡大では、縫合間隙に瘢痕様の結合組織が形成される。安定した骨組織への置換期は定かではない。

 

61. Space before rotational correction 歯牙の捻転修正に際して事前に十分なスペースを確保し、その後歯牙を回転させる原理。当たり前のようでありながら、忙しい臨床の現場では往々接触点の緊密な状態は見逃されがちだ。捻転歯に加えた力の反作用でほかの歯が想定外の位置へ動くこともある。歯牙の移動や、ときには隣接面の削合によってスペースができたら、それを保持するためのSectionを追加したり、あるいはContinuous wireであれば2箇所のT-loopsでスペースを保持しながら捻転を修正するなど、方法はさまざま。

 

62. Staging sequence or Sequential treatment  この原理の背景は「unlocking」である。類似した特徴をもつ症例の治療には、ある共通した治療段階が観察される。それらを参考に治療を計画する。反面、Bioprogressiveを学びはじめの初心者は、往々にしてstagingを意識するあまりに、それを「術式(きまった「型」)」と捉えるおそれもある。Ⅰ級叢生小臼歯抜歯の治療、Ⅱ級1類非抜歯の治療、Ⅱ級1類抜歯の治療などには、各々の治療群に共通して観察される段階的な処置が、たしかにある。しかしそれらをあくまでも参考事例として、当該患者にとって最適な治療を、計画し実施する。

 
2023-12-26
生物学原理 ⑮

Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)


臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した最大非侵襲・最大成果を旨とする、患者個々人に合わせた臨床思考だ. 時代ごとに現れる新技術・新知見を生物学原理から精査し、それらをどんどん呑み込んで発展する可能性は無限だ.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.

*アルファベット順 (生物学原理 ⑭の続き)


 

57. Root rating scale 歯牙移動における歯根単位㎟あたりの適正応力を、歯牙の種類とその移動方向にまとめた図。作業仮説とはいうものの、臨床と基礎研究(三浦、1971)によく整合する。歯根面積は、歯牙の移動方向におけるシルエットから計算されている。歯根の形状と大きさは、G. V. Black(1836-1915)のtext bookを参考にしたので、丸味を帯びて歯根が短い日本人では、適宜、応力を減じる(Root rating scaleの値から1/2-2/3、若年者では更に弱める)。血流が豊富な海綿骨中の移動の値が示されている。皮質骨中の移動には、応力を1/2へ減じる。一方、orthopedic alterationに際しては、あえて歯根を皮質骨へ当てて動かさない硬化変性状態に近づけるため、応力を倍増する。Ricketts seminarの中で、生徒に対して、各歯牙の移動方向における数値(gram-force値)の暗記が求められた数少ない原理のひとつ。

 

 

58. Select the most appropriate therapy 個別症例に対してもっとも適切な治療法を選択すること。特定の「術式(治療テクニック)」へ患者を嵌め込む治療は、患者側の「不利益」に照らせば本末転倒である。Rickettsがその愚をとくに強調したほどだ。矯正歯科治療には、異なるアプローチや方法がひろく存在し、それらのすぐれた点を呑み込む柔軟性も同時に指摘している。治療目標に到達するには幾通りものコースがあり、時宜に応じて最適な選択をする。
2023-12-25
生物学原理 ⑭


 

Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)


臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した最大非侵襲・最大成果を旨とする、患者個々人に合わせた臨床思考だ. 時代ごとに現れる新技術・新知見を生物学原理から精査し、それらをどんどん呑み込んで発展する可能性は無限だ.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.

*アルファベット順 (生物学原理 ⑬の続き)


 

54. Progressive withdrawal 動的処置後半から、段階的に保定処置へ移行する治療原理。バンド治療では、finishing stageで側方歯のバンドを除去し、バンドスペースの閉鎖時にovertreatmentを行う。ダイレクトボンドの時代では難しいが、一例を挙げれば、overtreatment(overcorrection)をおこなった側方歯群のブラケットスロットをタービンバーで広げてワイヤーとの遊びをつくり、切歯のトルクや高さの最終コントロールをおこなうといった、さまざまな方策が考えられる。Chair timeが限られる臨床現場では progressive withdrawal は有効だ。

55. Possibilities of early treatment 「可能性」とは安全性を担保した上で人為介入が可能な限界値である。知識としてこれを踏まえておかないと、その可能性を治療計画に盛り込むことはできない。臨床者自らが実証的な経験のない内は、先人などから「可能性」を学ぶのが一般的であろう。徐々に臨床に取り入れ、実際の変化をセファログラムで確認する。Headgearによる中顔面のorthopedic alteration、Utility archとsegmented archを使った一連のメカニクスはその一例だ。

56. Remove hazards 客観的なモニタリングを怠らないこと、または適切な演繹思考の大切さ。そもそも診断の誤りは致命的だ。治療の方向性のみならず、細かな臨床もおろそかにはできない。たとえば、牽引中の犬歯の咬合干渉・consolidation中の切歯咬合干渉・鋏状咬合の発現・あるいは顎間ゴムの装着状況・口腔衛生のモチベーション‥‥などである。

 
2023-12-23
生物学原理 ⑬

Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)


臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した最大非侵襲・最大成果を旨とする、患者個々人に合わせた臨床思考だ. 時代ごとに現れる新技術・新知見を生物学原理から精査し、それらをどんどん呑み込んで発展する可能性は無限だ.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.

*アルファベット順 (生物学原理 ⑫の続き)


 

51. Overtreatment 動的処置の終了後に、結合組織や筋肉が、移動後の歯牙・歯槽骨・顎骨を元の場所へ後戻りさせる生体反応を見越して、行き過ぎ(「オーバー」の意味)と感触されるくらいまで歯牙や顎骨の移動を図る術式全般。矯正歯科臨床の大原則だ。たとえば、治療前deep bite症例ならばshallow biteへ、open biteだったらdeep biteへ(大方は二週間以内にshallow biteへ戻る)、Ⅱ級関係だったらsuper class Ⅰへ、Ⅲ級関係だったらⅡ級気味へ、マイナスのoverjetだったり切端咬合だったら大きなoverjetへ‥‥など。YouTubeの Ricketts seminar 1991を参照。

 

52. Pre-torquing formulas Facial type別に設計されたトルク付きの前歯ブラケット。中切歯と側切歯のトルクのタイプには Retroversion, Neutroversion, Proversionの3種類がある。 Pre-torquingは Joseph Jarabak(1906-1989)が最初に公表した。Pre-torquingの不適切な設計やメカニクスの問題に起因して、上顎犬歯の遠心移動中に歯根が皮質骨へ引っかかったり、前歯の後戻りが助長されることもあるので要注意。矯正歯科医の力量の差が如実にあらわれるのは、治療後の切歯の傾斜と高さ・口唇との美しく自然な調和、つまりtorque・intrusion・顔貌を損なわない前後的な位置である。

 

53. Progressive entrance 段階的に治療をはじめていくプロセス。原則に沿ったunlockingだ。SWAとは臨床の種質そのものが異なる。たとえば12歳のⅠ級叢生小臼歯抜歯の症例なら、上下大臼歯のanchorageを確保し、sectional archで犬歯を牽引(*抵抗が少なく血流の豊富な海綿骨の中を単独移動させる)、切歯歯間部にすき間ができてから前歯のアライメントや圧下を行う。BioprogressiveではQuad helixを代表とするlabio-lingual techniqueが治療の初期段階で多様されるのも、unlockingを念頭に置いたprogressive entranceの原理に由来する。バイトターボを噛ませて一気にレベリングを開始する臨床アプローチもあろうが、患者によっては危険をともなう。構医研究機構のビーグル犬の咬合破壊研究で示されたとおり、咬合面の大幅な削合・急激な咬合挙上のいずれの場合も、実験犬の早老化と死亡が確認された。Lingual治療を受けたある14歳女性には、明確な早老化現象(外見40歳ぐらい)が確認され、これは高度ストレスが三叉神経を介して脳に波及したものと考えられている(顎口腔系がもつ脳への大きな影響力)。
2023-12-22
生物学原理 ⑫

Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)


臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した最大非侵襲・最大成果を旨とする、患者個々人に合わせた臨床思考だ. 時代ごとに現れる新技術・新知見を生物学原理から精査し、それらをどんどん呑み込んで発展する可能性は無限だ.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.

*アルファベット順 (生物学原理 ⑪の続き)


 

47. Nasal cavity / Turbinates  顔や歯列の成長と安定は、正常な鼻呼吸と旺盛な咀嚼を基盤とする。鼻腔の幅と高さ、鼻中隔弯曲の程度、鼻甲介の形状・大きさ・奥行き、鼻粘膜の腫脹や充血・炎症度について、病歴や鼻閉状況をふくめて臨床医は把握しなければならない。8歳以前の小児であれば、正中(上顎)口蓋縫合の拡大処置で鼻腔幅径の増大を加速できる可能性はある。BioprogressiveではQuad helixとHeadgearを用いる。口蓋骨と翼状突起のあいだはテーパー状の縫合(45°)をなすので、Headgearでも正中(上顎)口蓋縫合は広がり、その効果の一部は骨鼻腔にも波及する。なおその際、左右前歯をまたぐ連続アーチは装着してはならない。呼吸問題を疑う症例の多くは、扁桃の肥大や炎症も含めて、ENT specialistとの連携を要するであろう。

 

48. Nasopharyngeal space 鼻咽頭のスペースは、頭蓋基底後方の形態的な特徴に連関する。たとえば頭蓋基底の前後が短く斜台が急峻な角度をなすⅢ級患者では、鼻咽頭は前後に狭窄する。一方、Ⅱ級のBrachy face、頭蓋基底の角度が緩やかで後頭蓋(Ba-PTVの距離)も長ければ、鼻咽頭は前後左右にも広い。

 

49. Nature & Bioprogressive Therapeutic Occlusion 天然の正常咬合と、治療上の理想咬合には共通する点もあるが、後者には、治療前の筋肉の制約がおおむねそのまま残存するため、機能の安定だけではなく、後戻り阻止を目的とした工夫が随所に組み込まれている。①上下の歯列幅径の調和、②歯列形状と顔の相似性、③上顎第一大臼歯の十分な遠心回転と下顎同歯のわずかな遠心回転、④上顎側切歯をinsetしない、⑤下顎側切歯を犬歯に対してやや唇側寄りに配列する、⑥下顎側切歯はわずかに遠心へ傾斜させる(下顎側方運動への対抗策)、⑦下顎第一小臼歯(同歯抜歯なら第二小臼歯)を頬側寄りに配列する(Contact #6の達成)、⑧ Contact #6, #14, #20の確立(側方歯群の安定)、⑨下顎犬歯は犬歯筋の圧力を考慮して歯列の内側に位置させる、⑩顔と顎骨の対称性が良好な症例では上下歯列mid-lineを一致させる、⑪後戻りを想定した適切なoverjetとoverbite、⑫Overtreatmentの原則遵守‥‥など。Therapeutic OcclusionはRickettsの臨床経験により整理された。Ricketts seminar 1991(YouTube)を参照。

 

50. Natural distalization of premolars 第一小臼歯が、第二小臼歯を抜歯した場所へ自然に歯体移動する現象。または第二小臼歯が第一大臼歯を遠心へ移動させた際に追随する移動現象。1890年ごろ、Bakerが顎間ゴムで上顎前突の子息を治療したのを機に発見されたようである。1900年ごろからAngleによりBaker anchorageとして採用、以後ひろくこの治療メカニクスが普及した。Bioprogressiveでは、Ⅱ級ゴムをかけたtraction sectionを用いて、はじめ上顎第一大臼歯のみを遠心へ動かし、小臼歯が自然に遠心へ動くのを待ってから犬歯を遠心移動させる術式がしばしば採用される。また、第二小臼歯を抜歯後、sectional archで微弱な力(上記の反応にほんのプラスアルファで十分)をかけて第一小臼歯を動かすこともある。犬歯がある程度自然に遠心移動するのを待ってから残りのスペースを閉鎖するので侵襲が少ない。
2023-12-18
生物学原理 ⑪


 

Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)


臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した最大非侵襲・最大成果を旨とする、患者個々人に合わせた臨床思考だ. 時代ごとに現れる新技術・新知見を生物学原理から精査し、それらをどんどん呑み込んで発展する可能性は無限だ.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.

*アルファベット順 (生物学原理 ⑩の続き)


 

43. Lower third molars ①Germectomy、②「50%萠出論」、③Anchorageへの活用、④Coroextraction、⑤後戻りなど、複数の処置や原理が下顎智歯に関連している。①Germectomy; 下顎智歯の早期歯胚摘出術。歯列後方のスペースを活用できる可能性が生まれる。②顔面頭蓋の成長が完了した時点で、下顎枝前縁から前方へ歯冠の前半部(智歯歯冠の近遠心幅径10mmならば5mm、ゆえに50%)が位置し、傾斜とtorqueにも問題がなければ、50%の確率で下顎智歯は萠出および機能する。症例観察にもとづく実証論。一方、下顎小臼歯抜歯で第二大臼歯を前方移動させ智歯の萠出スペースを獲得しようとする場合は、50%萠出論を参考に智歯の温存可否を検討する。③下顎智歯の頬側にはきわめて厚い皮質骨(頬側棚)があるので、条件次第ではこれをanchorageへ利用すること。④智歯の歯根が下歯槽管に近接し、智歯抜歯で知覚麻痺が懸念されるときの、歯冠部のみを切除し摘出する手術。残根はその萠出力で移動するため、第二大臼歯の遠心移動を計画する際には、coroextraction後、なるべくすみやかに移動をおこなう。⑤下顎智歯の扱いは歯列保定の奥義である。

 

44. Meta-Positioning “当人” にならずに客観的な立場で症例をみること。「ある状態、経験に対して第三者的な立場で見ること」と定義される。曇りなき眼、内なる他人の目、思い込みの排除、などとも表現されよう。セファログラム分析や4つの重ね合わせは、Meta-Positionならではの “クールな(さめた)目” を養う絶好のツールだ。顔や歯列の経過写真も立体Scanningも然り。

 

45. Mid face complex 中顔面を構成する骨のグループ、頭蓋基底と下顎骨に挟まれた領域を指す。海綿骨が豊富な軽い骨によって構成され、眼窩の側面と底部、鼻腔と副鼻腔、上顎を形成する。上顎骨単独ではなく、ひろく「複合体」としてorthopedic alterationや歯牙移動を捉える。下顎骨との比較において、上顎骨は海綿骨が豊富で軽く、内側は上顎洞でくり抜かれ、多くの骨(頬骨、口蓋骨、下鼻甲介、鼻骨、鋤骨、涙骨、篩骨)と縫合する。実際にも、上顎骨は、中間介在骨を介して頭蓋基底から吊られている。なお、Rickettsは、中顔面のorthopedic alterationに際して、上顎骨を左右一組の“大きな前歯”とみなして対応するのが望ましいと語っていた。

 

46. Muscle anchorage 縦方向に走る抗重力筋の作用が関与する大臼歯のanchorage。咬合斜面を介して歯根に伝わる力は臼歯の前後的安定のみならず過剰な挺出も防いでくれる。Facial axisの安定にも寄与する。Vertical patternの患者の治療が難しいのは、抗重力筋の作用がもともと弱く不安定であるからだ。なお、Ⅱ級患者におけるfacial axisの開大(長顔化)は、一般的に、①overjetの増加、②舌を含む口腔周囲筋の二次的な変化、③咬合の不安定化、④気道の保全にまつわる頭頸部全体の構造変化をともなう。
2023-12-17
生物学原理 ⑩

Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)


臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した最大非侵襲・最大成果を旨とする、患者個々人に合わせた臨床思考だ. 時代ごとに現れる新技術・新知見を生物学原理から精査し、それらをどんどん呑み込んで発展する可能性は無限だ.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.

*アルファベット順 (生物学原理 ⑨の続き)


 

39. Learn all methods あらゆる術式のすぐれた点を学び、臨床に取り入れるべきは取り入れる。工学技術の進歩や、医療機器のデジタル化、別の視点をもつ卓越した臨床家の努力が医療の進歩にもたらす影響は計りしれない。一方、生物学原理は、その理解が深まることはあっても時流に漂う性質のものではない。したがって、新知見・新技術を、どのような状況で、どのように活用するかを判断するとき、一連の生物学原理はよき指標を提供してくれる。

 

40. Light continuous force 組織液と血液循環を極力阻害しない範囲で歯牙移動をおこなう、弱くて持続的な矯正力のこと。圧力の分布が鍵となる。たとえば、直径0.012inchの形状記憶合金の丸ワイヤーは、穏やかな力を発揮するとはいえ歯牙のトルク制御は効かない。歯根尖と歯槽骨頂付近では応力の集中が生じてしまう。またUtility archによる下顎切歯の圧下では、labial root torqueを付与しないかぎり、根尖が舌側皮質骨に衝突して歯牙移動は阻害される。丸線を用いたアライメントやレベリングでは、下顎大臼歯の歯根が軟らかな海綿骨に入り込み、anchorageを容易に喪失させやすい。小臼歯の抜歯スペースが大臼歯の近心移動で容易に閉鎖する現象は、ゆるやかで厚い口唇の患者でとくに問題になる。したがって弱くて持続的な矯正力を適用するときには、必要に応じて、というよりも、むしろ歯牙のトルク制御を意識して治療をすすめる。

 

41. Long-range growth forecasting(VTG) Lateralトレースを使った、顔と歯列の長期成長予測技術。Visual Treatment Goal by maturity(VTG)とも呼ばれる。成長期の患者の治療計画では不可欠なツール。短期成長予測法(VTO: Visual Treatment Objective)では、下顎骨の全体形状と顎関節の位置の予測が欠落している上、口蓋平面や鼻骨の変化をはじめとする中顔面のorthopedic alterationの繊細な予測が立たない。「2年」を予測上限とする所以だ。VTGは、これらを解決した予測技術である。成人はもちろん、12歳以下のすべての患者にも用いることができる。なお、VTGを製作する最中には、治療の流れ、装置、それらの適応の可否と注意、そしてなによりも実現可能な目標について繰り返しの検討が加えられることになる。視覚化された目標があるのとないのでは、治療結果のみならず、臨床者の成長に雲泥の差が生まれよう。Lateral film(Superimpositions)、治療経過の写真、立体Scanningなどは、その目標に到達するためのmonitoring toolである。

 

42. Lower jaw complex 下顎と密接に関連するシステムを、置性系吊性系の全体像で考えること。下顎骨と、下顎骨coreと相似形をなす舌骨は、吊性系器官に属する。Lower jaw complexを構成する吊るす側の代表は、頭頂骨(左右に走る帽状腱膜が頬骨弓を介して咬筋の力を受け止める)と側頭骨だ。側頭骨は中頭蓋窩の底面と外側を形成し、その下面に関節窩を提供、さらに聴覚・平衡覚に関与する重要器官を錐体部に収め、内頸動脈がそこを通過し、後頭骨との間の錐体後頭裂には頚静脈孔(内頚静脈が通過)が形成されるなど、蝶形骨とおなじく複雑かつ生命維持にとって重要な骨だ。さらに側頭筋が付着するgreat temporal crest・側頭平面は、側頭筋を介して、下顎骨側頭稜から下顎をしっかりと吊る。
2023-12-09
生物学原理 ⑨


 

Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)


臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した最大非侵襲・最大成果を旨とする、患者個々人に合わせた臨床思考だ. 時代ごとに現れる新技術・新知見を生物学原理から精査し、それらをどんどん呑み込んで発展する可能性は無限だ.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.

*アルファベット順 (生物学原理 ⑧の続き)


 

34. Know natural growth mechanism Mechanismには形態にまつわる遺伝子の発現の意味合いもあるが、ここでは成長期における顔面頭蓋と歯列の形態的な変化を指す。たとえば、①頭蓋基底と上顎複合体の成長停止後も下顎骨の成長はわずかに持続する。そのとき上顎歯列の歯槽部は下顎歯列との嵌合(咬合斜面)に誘導されて前下方へ移動する(*鼻の軟組織も成長するので、顔貌と口元のバランスは保たれる)。②下顎切歯は萠出前に乳中側切歯よりも舌側に位置するが、正常な筋機能や顎関係に誘導されて、上顎切歯と咬合する頃にはA-Po平面に対して前後の位置が定まる。③下顎歯列はcorpus axisとほぼ並行に年間0.5mm萠出する。④Mesio facialからbrachy facialの安定した筋肉のパターンをもつ人は、成長につれてfacial axisがわずかに閉鎖する、そのほか⑤Oral gnomonやCC-N-Point Aの角度の定常性、⑥Total facial heightの安定、⑦鼻-口唇-下唇溝-オトガイの軟組織バランス(緩やかな口唇⇒ 突出傾向が強まる vs. タイトな口唇⇒ 後退傾向)、⑧下顎骨の弓状成長‥‥など。

 

35. Know normal swallowing 食塊や唾液の嚥下がはじまり完了するまでの一連の正常機能を知ること。「正常」を知ることによって「異常なバランス」が明瞭にわかる。舌のもともとの位置(嚥下初動の位置)とそこからの動き(軌道、速度、停止位置)、舌骨の動き、初動における閉唇や接牙の状況、鼻咽頭の閉鎖‥‥などである。舌の位置と動きは口唇と密接に連動する。したがって顔貌の観察から、舌の状態は容易に推察できる。何気ない表情・会話や発語・嚥下・呼吸との連動を観察することは、予後の見通しを立てる一助となる所以だ。

 

36. Know orthodontic possibilities 歯根損傷を極力低減させて歯牙移動を行う際の、移動量の限界と臨床技術を知ること。筋肉が歯牙移動を補佐することもあれば、逆に歯牙移動を妨げることもある。そのため、安全かつ順当な歯牙移動の最大範囲は、筋肉との関連で論じる必要があろう。装置の選択と設計、矯正力の大きさ・方向・期間・応力分布、生体の順応、術後の安定については、Ricketts seminar 1991(YouTube)の各種症例を参照。

 

37. Know orthopedic possibilities 早期治療におけるorthopedic alterationの可能性のこと。自力回復が望めない骨格性dysplasiaに対する、若年期における処置である。対象となるのは中顔面(上顎複合体)だ。当然ながら筋肉や呼吸への対応が功を奏する場面は少なくはない。ANSが上に留まり上顎の突出が認められるⅡ級brachy faceの開咬、arch lengthや歯牙サイズに問題をみとめない7歳の患者の治療を例に挙げてみよう。Cervical tractionを用いてpalatal planeを後下方へ6°、Point Aを6mm下げた場合、開咬はほぼ軽減されるであろう。形態修正をある程度すすめてから、必要に応じて筋機能訓練をはじめる。もちろん呼吸や習癖の問題があれば術前や術中に改善しておくことが望ましい。

 

38. Know the feature of ligaments 歯根膜がもつ改造能力と後戻りのポテンシャル。矯正歯科医の仕事は、歯根膜の生物学的な特性へ全面的に依存する。広義には顎関節外側靭帯、蝶下顎靱帯、茎突下顎靭帯等の特性も含む。

 
2023-12-08
生物学原理 ⑧


 

Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)


臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した最大非侵襲・最大成果を旨とする、患者個々人に合わせた臨床思考だ. 時代ごとに現れる新技術・新知見を生物学原理から精査し、それらをどんどん呑み込んで発展する可能性は無限だ.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.

*アルファベット順 (生物学原理 ⑦の続き)


 
 

30. Hierarchy of cranium structure 顔面(内臓)頭蓋を、①頭蓋基底、②下顎骨複合体、③そのあいだに挟まる上顎複合体の3区に分け、診断、治療計画の立案、具体的な処置を考えるBioprogressiveの基本原理。形質人類学、解剖学、生理学、臨床学と整合する。「原理29」の重力に対応する陸上動物の特性であり、ヒトではとくに二足直立歩行に焦点を当てている。置性系(*頭蓋基底)、吊性系(**下顎複合体)、その間に挟まり、若年者ではorthopedic alterationの可能性があるのが、***上顎複合体だ。顔面骨の分類でいえば *①⇒ 後頭骨、蝶形骨、前頭骨、側頭骨(中頭蓋窩を形成)、**②⇒ 下顎骨、舌骨、側頭骨(顎関節窩を提供し、乳突切痕に顎二腹筋後腹が起始、茎突下顎靱帯・茎突舌骨筋が付着する茎状突起・側頭線)、頭頂骨(帽状腱膜によって頬骨弓・咬筋を介して下顎を吊す)、***③の中間介在骨⇒ 鼻骨、篩骨、涙骨、鋤骨、下鼻甲介、頬骨、口蓋骨、そして本体である上顎骨。 Hierarchy of cranium structureを知るほどに、Ricketts分析、VTG、Bioprogressiveにおける早期治療から成人治療のメカニクスの理解は深まる。

 
31. Intermittent heavier force Headgear臨床で活用される応力負荷の様式。間歇的な強い力によって歯根膜中の間質液と血液は搾り出されるので歯の動きは一時的に制約される。そのため矯正力が効率よく骨縫合部へ伝達され、orthopedic alterationが達成される。装置を外している日中には、歯周組織は修復される。第二乳臼歯へ力をかける場合は歯根の損傷はあまり問題にならないかもしれないが、第一大臼歯の場合は、歯根の吸収について細心の注意を要する。

 
32. Interstitial fluid 歯牙移動における歯根膜中の間質液の動態保全。安全かつ適正な歯牙への矯正力とは、組織の改変に必要な血流と間質液を、可能な限り歯根膜から搾り出さない程度の大きさの力を指す。歯の移動にはlight continuous forceが望ましい所以だ。海綿骨に比べ、皮質骨の中は間質液と血液の循環が少ない。したがってあえて皮質骨の中の歯牙移動を図る際は、力を弱くする(1/2がひとつの指標)。もちろん骨の改造にはより長い期間を要する。具体的な応力値については「原理57」を参照いただきたい。また、矯正力は熱エネルギーへ変換される。したがって歯牙移動中の唾液、そして鼻呼吸に連動して内部の圧力変動が起こる副鼻腔の冷却機構も、歯根のcollagen溶融現象を回避する上で重要だ。副鼻腔内が減圧される際に、粘膜表層から水分が蒸散し余剰な潜熱が奪われる。

 
33. Juvenile growth spurt 5歳から6歳にかけて、思春期成長とは別個のgrowth spurtがみられる。Linder-Aronsonによって報告され、のちにRickettsが確認。日本でも、セファログラムを用いた頭蓋基底の発育研究(2023)において、6歳未満の小児に成長速度がほかの年齢群よりも旺盛であることが見い出されている。第二乳臼歯を用いたorthopedic alterationを計画する時期としては、7歳・8歳・9歳よりも、4歳・5歳・6歳が望ましいといえる。
2023-11-28
生物学原理 ⑦



Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)


臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した最大非侵襲・最大成果を旨とする、患者個々人に合わせた臨床思考だ. 時代ごとに現れる新技術・新知見を生物学原理から精査し、それらをどんどん呑み込んで発展する可能性は無限だ.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.

*アルファベット順 (生物学原理 ⑥の続き)



 

26. Frequency of distribution  セファログラムの計測値を「分布の頻度」として統計学的にみる大切さを指摘した原理。数学的な記述と、それにもとづく分布の概念は、先入見や思い込み、希望的観測の類いを排除する上で利便性が高く、患者—医療者双方にとって有益だ。症例の特徴を客観的につかみ、治療の難易度を冷静に見積もり、治療中のモニタリングと治療後の評価をおこなう。臨床上もっとも大切とされる「診断・プログノーシス・治療計画」を一足飛びにして、装置の扱いや治療法へ思いを馳せがちなわれわれの思考の癖(脳の特性かも知れない)に、こうしてしっかりと歯止めをかけ、修正を図る。

 

27. Frictionless techniques Sliding mechanicsではブラケットスロットと矯正ワイヤーの間の摩擦抵抗が少なければ少ないほど、力が歯根膜へ正確に伝達される。Anchorageの保全にも有利。角線が太くなるにつれて摩擦抵抗が諸所に発生し、歯の動きは滞る。術者は焦ってより強い力をかけて固定源を喪失させてしまう。Bioprogressiveでループメカニクスが多用されるのは、この問題回避を目的とする。オリジナルのデザインは複雑で、犬歯のセグメントリトラクターや contraction utility archは、ベンドの難しさもさることながら食片が挟まるので口腔清掃には不利である。さらに異常嚥下をもつ患者では頬粘膜が荒れることもある。その解決策として、パワーチェーンの併用、ワイヤー素材の変更、ループの単純化、特殊な断面形状をもつワイヤーの開発、結紮システムの変更がすすみ、現在はさまざまな frictionless mechanicsが普及した。


 
28. Golden section / Divine proportion law for beauty 美容上の判断における、黄金比1:1.618の活用。顔の美しさやバランスの評価には主観が混入する。そこで黄金比を、構造比率の評価や参考のひとつにする。黄金比への関心はエウドクソク(BC 408)の発見から始まるとされ、この比率は優れた美術作品や建築にしばしば意識的、もしくは無意識的に採用されている。「調和と安定感」をもたらす比率で、種子の配列や貝殻の渦の成長など、自然が造り出した造形美の多くには「黄金螺線」として黄金比が見い出される。


 
29. Gravity and anti-gravity system ①Gravity systemは sling system(吊性系)とも呼ばれ、重力法線に吊り下げられた物体における運動、および吊り下げに特化した構造を指す。②Anti-gravity systemは landing system(置性系)と呼ばれ、重力に抗する特色を備えた構造だ。③吊性系と置性系に挟まれた領域が上顎複合体(中顔面複合体 mid-face complex)である。下顎骨は重力システム(sling system)を担う。一方、頸椎・頭蓋基底は抗重力システムを代表し、実際にも後頭骨・蝶形骨・前頭骨は頸椎の延長と見做し得る。ただし蝶形骨には、脳を支える構造と、顔を吊り下げる構造(内外翼突板と蝶形骨吻)とが複合されている。Bioprogressive臨床を理解するには不可欠な概念といえよう。
2023-11-25
生物学原理 ⑥


 

Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)

臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した最大非侵襲・最大成果を旨とする、患者個々人に合わせた臨床思考だ. 時代ごとに現れる新技術・新知見を生物学原理から精査し、それらをどんどん呑み込んで発展する可能性は無限だ.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.
*アルファベット順 (生物学原理 ⑤の続き)

 
 

22. Different feature between Maxilla and Mandible 歯の移動、大臼歯のanchorage保全、orthopedic alterationの可否に関連した解剖学的な相違。上顎複合体は下顎骨よりもはるかに軽く、咬合力を伝達する外側の皮質骨を除外すれば、鼻腔と副鼻腔が存在し、海綿骨が豊富である。一方、下顎骨は、咀嚼と嚥下に積極的に関与し、重錘(ほぼ皮質骨の塊)として姿勢制御系にも参与するといわれる。海綿骨が豊富な場所もあるが(歯槽突起・下顎頭・下顎枝の内面など)、全体としてはきわめて緻密でずっしりと重たい。当然ながら、下顎歯の移動に関する生物学的な制約はつよくはたらき、実際にもむずかしい。正確な下顎歯牙の移動には、皮質骨の分布を踏まえた「樋状構造」の概念が欠かせない。外側の皮質骨に囲われた狭い海綿骨の中で歯牙移動を行う基本的な術式だ。

 
23. Ellipses on the cone 円錐形状は生物の「原器」である。Rickettsが内臓頭蓋の各所に観察される円錐構造・円錐面上曲線に着目したのは、親交の深かった人類学者 Lloyd DuBrul(1909-1996)の影響かもしれない。円、楕円、放物線、双曲線、対数螺線といった生体の各所に観察される形状は、すべて円錐を切る角度で表現される。種によって特徴的な歯列の形状、Ba-N planeが底面となりオトガイを頂点とする内臓頭蓋の円錐構造、口腔円錐に現れるモンソン弯曲やスピーカーブ、螺旋顆状をなす下顎頭(膝関節と相似形)、下顎の弓状成長、歯根と歯冠に観察される円錐の形は、すべて原器の特徴を継承している。

 
24. Extra-oral anchorage(顎外固定) E. H. Angleの時代、顎外固定は歯牙移動に限局したanchorageの強化概念であったが、患者の年齢や適用の方法によっては、中顔面のorthopedic alterationがもたらされることが次第に明らかになってゆく。1953年セファログラムで最初に確認したのがシカゴの女性小児歯科医師 Buleah Nelson、つぎにセファログラムで客観的に証明したのが R. M. Ricketts。以後、小児の上顎前突症例にorthopedic deviceとしてcervical traction、high pull headgear、combination type、reverse pull headgear(牽引方向による分類)、face bowやJ-hookを含めればさまざまなタイプのHeadgearが普及した。TAD(矯正歯科用アンカースクリュー)が普及したとはいえ、extra-oral anchorageは、若年期の小臼歯抜歯症例では有効な選択肢のひとつである。

 
25. Four-position procedure 2枚のLateral film上で行う4つの重ね合わせのこと。軟組織の重ね合わせを含めると5箇所になるので、単に「Superimposition」ともいう。撮影直後のフィルム(画像)にTime 1トレースを重ねて、歯やorthopedicな変化を確認することも忙しい臨床ではよくある。デジタルの画像であっても、適切なサイズのモニターへ映し出せば、重ね合わせは十分可能だ。順繰りに重ねる過程なので “procedure” と呼ぶ。Ba-N at CCでオトガイを評価(S1 *S; superimposition)、Ba-N at NasionでPoint Aを 評価(S2)、トレースをずらしてANS-PNSにて合わせて “Greatest fit” するところでU6とU1を評価(S4)、Corpus axis at PmでL1とL6を評価(S3)、2枚のE-planeを機能咬合平面の高さで合わせて上下の口唇やオトガイの緊張を評価(S5)する。このほか、下顎arcの重ね合わせなど、さまざまな活用法がある。
2023-11-24
生物学原理 ⑤

Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)


 

臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.

Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した最大非侵襲・最大成果を旨とする、患者個々人に合わせた臨床思考だ. 時代ごとに現れる新技術・新知見を生物学原理から精査し、それらをどんどん呑み込んで発展する可能性は無限だ.

Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.

*アルファベット順(生物学原理④の続き)



 
 

19. Cranial base(Basion-Nasion palne) 脳頭蓋(神経頭蓋: neuro cranium)と顔面頭蓋(内臓頭蓋: splanchno cranium)の境界面。すなわち脳を支え顔を吊すinterfaceである。歯列形状はこの境界面と相似形をなす。Facial axisが平均90°をなすCaucasianでは、左右のPt poinから立てた垂線を軸とするふたつの円錐の頂点の中間に、ちょうどオトガイが位置する。日本人正常咬合者のfacial axisはおよそ87°±3°なので、垂線からわずかながら円錐はretrognathicに傾く。頭蓋基底の成長研究では過去にさまざまな学説が唱えられてきたが、左右の円錐面上曲線が合わさった構造として捉えるのが望ましい。種々の歯列形状も、円錐面上曲線(一定の角度ではなく、変角させながら切る)で捉える。

 

20. Cutoff(age) 長期成長予測 (VTG by maturity) 立案のときに参考にする顔面頭蓋(内臓頭蓋)の成長終了年齢。カリフォルニア州の平均値;女性14.8歳、男性18.8歳を参考にする(日本では実態調査がない)。性差は、統計学的にも明らかであるが、9歳時点で顔の成長が終了していた女性や、16歳以降に下顎の成長が観察された女性もいる。成長量の個人差があるぶん、VTG上の顔のサイズは実際とわずかに異なる。しかし、顔における歯列の位置づけ、具体的な治療計画の立案、側貌の輪郭予測にとっては依然として有用性がみとめられる。

 

21. Cybernetic Feedback in Planning ①オトガイの位置 ⇒ ②Point Aの位置 ⇒  ③下顎前歯の位置 ⇒ ④下顎大臼歯の位置 ⇒ ⑤上顎大臼歯の位置 ⇒ ⑥上顎前歯の位置 ⇒ ⑦顔貌、(ひとまわりして) ①⇒ ‥‥と、互いに影響を及ぼし得る変化を統合的に判断して治療を計画する思考法。*Cyberneticsは、生物の制御機構と機械の制御機構の共通原理を究明する学問だ(*MITのNorbert Wienerにより提唱)。心理学におけるfeedbackは、出力としての行動の一部を目標に向かうように修正するために入力側に戻すことだ。Bioprogressiveにおける用例はこの意味合いに近似する。たとえば、facial axisを維持しつつ口唇閉鎖と美容上の観点から下顎前歯を概ねA-Po planeに対して2mmに計画する成人症例があったとしよう。Facial axisの維持から計画を練りはじめ、小臼歯抜歯の要否と下顎大臼歯のanchorageの程度、そして顔貌変化を考える‥‥といった具合だ。Dolicho faceが特徴的で過大なoverjetとhigh convexityな顔貌の中学生の女児の例なら、臨床者は「顔は長くしたくない。小臼歯抜歯は現実的な選択肢である」と順繰りに考え、具体的な治療の流れを煮詰める。①のオトガイの位置から思考をはじめるのは、すべての症例において、それが顔貌、治療の難易度、治療の進行全体に与える影響が際立って大きいからである。

 
2023-11-21
生物学原理 ④

Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)


 

臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.

Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した最大非侵襲・最大成果を旨とする、患者個々人に合わせた臨床思考だ. 時代ごとに現れる新技術・新知見を生物学原理から精査し、それらをどんどん呑み込んで発展する可能性は無限だ.

Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.

*アルファベット順(生物学原理③の続き)


 

15. Corpus axis PmとXiを結んだ下顎体軸である。“xi” はギリシャ語アルファベットの第14字で、ここは下顎孔の位置(V3が下顎骨に侵入し、蝶下顎靱帯が付着)に相当する。成長に伴って下顎下縁平面の後方は吸収するため、Corpus axisの発見以前は、下顎歯列の成長や治療変化を評価する基準面が存在しなかった。なお、機能咬合平面はcorpus axisから年間0.5mm上方へ発育する。下顎正中結合 (Symphysis, symphyseal: “結合”)において Pm(Protuberance mentii)の上方の骨表面は吸収し下方は骨添加する。Xi pointもPm pointも、成長中に安定した場所であることが、基準面としてのcorpus axisの信頼性を物語る。

 

16. Consistency of oral gnomon Lower facial heightの定常性。Pm-Xi-ANSの内角がoral gnomonだ。ここは開咬症例でも成長中に殆ど変わらない。VTG製作では、あたらしいANSを求める段階でこの特性を利用する。また治療中にoral gnomonが開大した場合は、重篤な鼻閉や顎関節病変の発現を疑う。なお、指しゃぶり等によってANSが上方へ持ち上がった小児に対するcervical tractionでは、しばしばoral gnomonが閉鎖する現象が確認される。これは患者本来の高さに回帰したものと推察される。

 

17.Cortical bone anchorage(皮質骨固定) Bioprogressiveでは、下顎骨のbuccal shelves(頬側棚)と上顎骨から頬骨にかけてのkey-ridge周辺がanchorageに活用される。下顎大臼歯の歯根を頬側棚の下へ滑り込ませ、かつ側方への応力を加える術式だ。下顎大臼歯は前後上下に安定し、Ⅱ級ゴムの垂直ベクトルによる大臼歯の挺出も防ぐことができる。第一大臼歯よりも第二大臼歯の方が頬側皮質骨は厚く、智歯においてはもっとも厚くなる。したがって、もし智歯が利用できる状況であれば、努めてこれを温存する。また、上下切歯の舌側に存在する分厚い皮質骨にも細心の注意を要する。上顎切歯のcontractionを急げば(焦って過大な力を加えること)torquing controlは失われ、根尖は唇側へ移動しながら歯は挺出し、①ガミースマイル化、②ラビッティング、③Deep bite、④Facial axisの開大、⑤臼歯Ⅱ級関係の増悪、⑥下顎頭の後方押し込みといった負の連鎖反応が生じる。美容上も機能上も不満足な結果をまねく。おなじく、下顎切歯のcontractionを、もし生物反応速度を超過して急げば、①臼歯の前方滑り出し(anchorageの喪失)、②下顎切歯の過剰挺出、③異常な舌側傾斜が生じる。これらは、小臼歯抜歯の失敗事例にしばしば共通して見受けられる。

 

18.Cortical bone avoidance(皮質骨回避術) 海綿骨の中に歯根を位置させ、その状態を維持しながら歯を移動させる臨床手技。骨梁がまばらな海綿骨には、間質液と血液が豊富に流れているため、破骨細胞と造骨細胞は順当に供給される環境が整っていると考えられる。Light continuou forceを用い、その中に歯根を留めて歯を動かす技術は効率的であり、歯根の損傷も極力低減できる。歯列のコーナーに位置する下顎犬歯をretractする際には、舌側の緻密な皮質骨を文字通り“優雅に回り込むように”、sectional wireで誘導する。上顎犬歯も同様であるが、pre-torqueブラケットのそもそもの設計が、外側の皮質骨を回避するようになっているか(歯冠は唇側、歯根は舌側)は、確認を要する。
2023-11-20
生物学原理 ③


 

Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)


臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した、最大非侵襲・最大成果を旨とする臨床思考だ. だから時代ごとに現れる新技術・新知見をどんどん呑み込んで発展する.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.

*アルファベット順(生物学原理②の続き)


 

10. Ardrey’s human drives ①Identity、②Stimulation、③Security。診療所の運営に大切な患者のモチベーション、スタッフの働く意欲、そして院長自身の自己啓発に有用な原理だ。一般社会との交流、地域活動におけるリーダーシップの発揮、円満な家庭環境の形成、人間の衝動や言動の背景を知る上で参考とするべき、行動社会学上の卓見ともいえる。African genesisで有名な Robert Ardrey(1908-1980)の著書 「The Territorial Imperative(1966)」最終章 Three Faces of Janus(P320-353)に記載。


 11. Bite opening before contraction 切歯の咬合干渉はfacial axisを開大させ、顎関節の病理変性を助長、治療を困難にする。Arch integrationを行うまえに、上下切歯を十分に圧下させることは、開咬症例を除けば、治療の原則である。なお、バイトターボを大臼歯や上顎前歯舌面に接着する術式は、咀嚼と嚥下の困難性もさることながら、患者によっては顎関節損壊の危険をともなう。


 12. Catch up growth 潜在していた成長(ポテンシャル)の発現。手遅れになるまえに成長の阻害因子の排除に努める。早期治療は一面、生物学的な時間との闘いでもある。成長ポテンシャルは概ねの推察はつくとはいえ、当初の見込みを超えるポテンシャルが発現する事例やそうならない事例もある。治療の鉄則は、①阻害因子の排除、②自力で回復が望めないときはorthopedic alteration、③ENT specialistによる呼吸への対応、④神経-筋機構への機能訓練。


13. Compensation 歩み寄りの原理。数ある原理の中でも際立って適応範囲が広い。顔面骨どうし・骨格と歯列・歯列と筋肉・そのほか形態と機能全般・時間要素を含む相補的な生体の調節やバランスを指し示す。Compensationがなぜ作動するかについては、それが分子レベルにおよぶ作用であるため、明らかにはなっていない。しかし自然がそのように生体をはたらかせるのであれば、われわれは上下の歯の位置や傾斜、軟組織と歯列のバランスを、美しさと機能の両立を踏まえて、「そのように」計画するのが望ましいと考えられる。Compensationの概念を取り入れた計測項目は L1 to A-Po(A-Po planeに対する下顎切歯の角度と前後的な位置)。A-Po planeそのものが相対基準を前面に打ち出している点に注目。


14. Condylar alpha position ギリシャ語アルファベットの第1字は“alpa”。もののはじめ、あるいは根本の意味。顎関節窩における下顎頭の生理的な位置を咬合の指標とする。顎関節窩に円板を介して下顎頭が安定した位置に収まっていることは咬合の基盤だ。反対に、顎関節の病理変性や成長障害(*自己免疫疾患が疑われる症例もある)は、例外なく顔と歯列を損なう。
2023-11-17
生物学原理 ②


 

Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)


臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した、最大非侵襲・最大成果を旨とする臨床思考だ. だから時代ごとに現れる新技術・新知見をどんどん呑み込んで発展する.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.

*アルファベット順(生物学原理①の続き)


 

6.Arch form 歯列のかたちは、ほかの構造要素と相似をなす。したがって歯列形状を叢生解消の目的だけで人為変更する試みは現実的対処とはいえない。ただし、「Unlocking」という意味では推奨される場面が多々ある。機能的な問題でV字型に歪んだ上顎歯列を膨らませる、あるいはorthopedicに上顎歯列の側方拡大を行うことは若年患者においては有効だ。さらに咀嚼の刺激は着実にその成果をサポートする。歯列内環境(舌)と外環境(口唇・頬)の力バランスも大切なので、軽く閉唇をした鼻呼吸(とくに就寝中)も有効である。


7. Arch integration Integrationは多種の構成要素を統合すること。とくに、segmented mechanicsからcontinuous archへの移行段階をBioprogressiveでは指す。上顎前歯を概ねcontractionしたら、保定中の被蓋変化を見越して前歯の圧下と歯軸をコントロールし、それらをovertreatさせた側方歯へ統合させる。前方要素と後方要素を整合させることから「Consolidation」とも呼ばれる。上顎前歯の歯根は舌側の厚い皮質骨の中を移動するので light continuous forceの原則は遵守されなければならない。Sectional mechanicsと*transformo-anchorageの、双方のメリットを生かしてarch integrationへ至る、きわめて繊細な処置である。(*Transformo-anchorage: 固定源を隣在歯から離れた場所へ求める技術。別名、Bypassing technique)


8. Arch sectioning for anchorage Sectional mechanicsによってanchorageを保全する方法。固定源の歯に対する負担が軽減する。たとえば上顎第一小臼歯抜歯においては、上顎前歯の叢生解消と後退を行う前準備として、Quad helix等で第一大臼歯の皮質骨固定を確保し、それを維持しつつ犬歯をsectionで単独にretractionする方法が代表的。Ⅱ級非抜歯症例では、上顎犬歯に対して、圧下と舌側方向への圧力を加えたtraction sectionに、皮質骨固定された下顎第二大臼歯からⅡ級ゴムをかけて、上顎大臼歯のみを遠心移動させて、それから小臼歯犬歯を順次retractionさせる方法も採択される。Transformo-anchorageの一形態で、segmented archだけでなく各種のUtility archの用例も含まれる。なかでも下顎Utility archによる大臼歯の皮質骨固定は、anchorageの保全にきわめて重要。大臼歯の歯根を頬側棚(buccal shelves)の下へ滑り込ませる技術で、基本要素は、①Buccal root torque ②Expansion ③Distal rotation ④Tip back。なお、これらのarch sectioningは、facial axisの安定に大きく寄与する。


9. Arcial growth mechanism 下顎体の前方から、下顎枝と関節突起におよぶ弓状の弯曲に沿った成長の様式。連続弯曲する隆起は、下顎骨の内外面に、詳細には骨梁の走向方向にも観察される。側面セファログラムで下顎骨の成長を経時観察すると、*coreに近似した対数螺線または円弧(Arc)に沿ってオトガイが成長するのがわかるだろう。Arcial growth mechanismは、顔と歯列の長期成長予測法、下顎智歯の萠出予測、各種の治療技術に活用され、下顎前歯の圧下移動によるオトガイの前方発育の発揮もこれによって説明できる。(*Core: 果実やトウモロコシの芯、物の中心部、問題の眼目)
2023-11-14
生物学原理 ①


Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン) 


臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した、最大非侵襲・最大成果を旨とする臨床思考だ. だから時代ごとに現れる新技術・新知見をどんどん呑み込んで発展する.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.

*アルファベット順


 

 

  1. Adenoid / Large tonsils 呼吸や舌の位置、口唇の機能、嚥下機能はAdenoidや肥大した口蓋扁桃の影響で適応性に異常なバランス状態におかれる。顔と歯列の発育、治療の進行、治療後の歯列への影響は無視できない。


  2. Adult subtle growth change 成人になっても骨格形体や歯列の変化が継続する。変化は生涯にわたる。細胞置換に照らしても「絶対不変」はない。


  3. Advantage of growth Facial typeや下顎弓状成長を利用した早期治療の奥義。Anchorageの計画へも反映され、しかも保定中の咬合安定にも大きく影響する。下顎弓状成長による咬合の緊密化はその一例だ。中顔面全体の前方成長速度を遅くしたり、上顎臼歯の自然な前方移動に抑止をかければ、Ⅱ級の臼歯関係がⅠ級へと是正され、上顎前歯の前突も緩和される。Ⅲ級若年患者では中顔面における前方成長の促進が考慮される。


  4. Advantage of orthopedics 中顔面の骨格的是正を活用した早期治療ならではのメリット。上下顎の前後バランス(歯列の土台)が整った分、歯の移動は少なくて済む。歯根の損傷とfacial axis開大のリスクも軽減する。また、正中(上顎)口蓋縫合の拡大効果はときに鼻腔底へ及ぶ。ただし鼻粘膜の肥厚や充血、免疫等々が関与する鼻閉症状がそれだけで改善する保証は残念ながらない。上顎複合体の骨のボリュームが増すために、あるいは加齢中も維持できるように、しっかりと奥歯で咀嚼する生活上の刺激は不可欠である。


  5. Allergies 口唇や舌の位置と機能に影響するアレルギー性鼻炎、または金属やラテックスアレルギーによる装置の制約。呼吸の問題は、顔と歯列の成長を阻害し、動的処置の進行を妨げ、保定中の後戻りを助長する。諸種のアレルギー反応は、呼吸系の疾病にかかわらず、全身性疾患あるいは精神にも波及する。

2023-11-13
生物学原理
 


どんな歯ならび治療も、生物学原理にもとづいておこわれています。


院長が最もお世話になった臨床家R. M. Rickettsは、 生前およそ70の生物学原理がBioprogressiveにはあるだろうと話されましたが、残念ながら散逸してしまい、現在は目にする機会がありません。

かれのSeminarから、院長がまとめた75項目の生物学原理をあげます。

次回から項目の詳細を随時アップロードしていきましょう。



 

Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)


臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した、最大非侵襲・最大成果を旨とする臨床思考だ. だから時代ごとに現れる新技術・新知見をどんどん呑み込んで発展する.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.



 



    1. Adenoid / Large tonsils

    2. Adult subtle growth change

    3. Advantage of growth

    4. Advantage of orthopedics

    5. Allergies

    6. Arch form

    7. Arch integration

    8. Arch sectioning for anchorage

    9. Arcial growth mechanism

    10. Ardrey’s human drives

    11. Bite opening before contraction

    12. Catch up growth

    13. Compensation

    14. Condylar alpha position

    15. Corpus axis

    16. Consistency of oral gnomon

    17. Cortical bone anchorage

    18. Cortical bone avoidance

    19. Cranial base (Basion-Nasion palne)

    20. Cutoff (age)

    21. Cybernetic Feedback in Planning

    22. Different feature between Maxilla and Mandible

    23. Ellipses on the cone

    24. Extra-oral anchorage

    25. Four-position procedure

    26. Frequency of distribution

    27. Frictionless techniques

    28. Golden section / Divine proportion law for beauty

    29. Gravity and anti-gravity system

    30.  Hierarchy of cranium structure

    31.  Intermittent heavier force

    32. Interstitial fluid

    33. Juvenile growth spurt

    34. Know natural growth mechanism

    35. Know normal swallowing

    36. Know orthodontic possibilities

    37. Know orthopedic possibilities

    38. Know the feature of ligaments

    39. Learn all methods

    40. Light continuous force

    41. Long-range growth forecasting(VTG)

    42. Lower jaw complex

    43. Lower third molars

    44. Meta-Positioning

    45. Mid face complex

    46. Muscle anchorage

    47. Nasal cavity / Turbinates

    48. Nasopharyngeal space

    49. Nature & Bioprogressive Therapeutic Occlusion

    50. Natural distalization of premolars

    51. Overtreatment

    52. Pre-torquing formulas

    53. Progressive entrance

    54. Progressive withdrawal

    55. Possibilities of early treatment

    56. Remove hazards

    57. Root rating scale

    58. Select the most appropriate therapy

    59. Sequences or progressions

    60. Slow palatal separation

    61. Space before rotational correction

    62. Staging sequence or Sequential treatment

    63. Summary analysis

    64. Sub-labial release

    65. Three-basic plane

    66. Three-dimensional control

    67. Three types of abnormal swallowing

    68. Unlocking of the malocclusion

    69. Utilize A-Po plane

    70. Utilize prefabrication

    71. Utilize pterygoid point

    72. Utilize the buccal plane

    73. Utilize Xi pont

    74. Vertical growth (chin, mid-face)

    75. Vertical growth (ramus, condyle)



2023-07-21
アフロヘアー
あまりの暑さに耐えかね、行きつけの床屋で髪を短くそろえてもらったら、ツンツン立ってアフロヘアーのようになった。濡らせば落ち着くが、乾けば立ち上がる。

去年もおなじで、その時は「どうしたらいい?」と娘にきいたら「思い切って剃っちゃえば?」と軽くいなされたのを思い出した。

あたらしく診療所のパンフレットこしらえている最中だが、頭が軽くなった分、たしかにパンフレット構成もサッパリした。
2023-07-10
たべのものに学ぶ歴史
ライ麦パンの魅力だけではない、豊かなドイツパン

はじめて英国を旅したときに立ち寄ったコンビニ店。

そこで生涯忘れられないサンドウィッチに出会った。

ライ麦パンにはさんだハムとレタス、相性は抜群。

その味を、とおもって今でもライ麦パンを焼いている。

The Encyclopedia of German Bread

ドイツパン全集(森本 智子)の本には、豊富な種類のドイツパンが地方史から材料、発酵、焼き方まで、美しい写真とともに紹介されていて、楽しい、のひとこと。

 


2023-06-27
秋の「R セミナー」のお知らせ
専門医を対象とした研修会です。お問い合わせ・お申し込みは、オーソデントラム社へ!
2023-06-27
新緑のなかのグータッチ
おのずと山やサイクリングのコースも沢沿いになる。

今日は清々しい世田谷の会社員と二組のカップル、そしてニューヨークの救急救命医と出会った。Dr. Austinは7年前に京都でひと月ほど日本語を学んだ方。「わたしの名前は、かつ、よろしく」と挨拶したら「カツ丼のかつですね」と軽くジョークを飛ばす高身長ハンサムな若手医師だ。

話が弾んで、長女がサンディエゴで在住でつれ合いの夫はとても優しいことを伝えたら、帰り際、互いのハッピーライフを祈ってグータッチ。

「I’m very proud of my son in law because he’s good husband as well as good father!」と伝えるのを忘れていたことに気づいた。



2023-06-26
自家製サワードゥ
発酵食は奥が深く、何よりも自分で「挑戦」やら「工夫」ができるところが魅力だ。
発酵を待つ間は、のんびりと時間が流れ、じっさい食卓も華やかさを増す。
写真左はライ麦種、右は全粒粉種。
テーブルの左はそれらで作ったパン、右は発酵を待つ間に焼いたビスコッティ。
診療後のささやかな楽しみに、と思っていても、自宅に戻るとなくなっていることしばしば。
近頃は多めに焼くことにしている。

自家製サワードゥ

自家製サワードゥ
2023-06-17
多趣味のめぐみ
「いいよ!」...昨夜の娘との約束を思い出したかのように目覚めた。
前の晩に野菜室で一次発酵はとってあったから、散歩前に二次発酵させれば、オーブンで焼き上げるだけだ。
診療まえのひと仕事といったところか・・
フィラーは、シナモン大サジ×1にバター15g、三温糖20g、ココナッツ20g、少々のチョコを混ぜ、折りたたんでは伸ばし、フィリングがマーブル状になるようにねじりを入れる。
おすすめの本が、「はじめてのサワードゥ ブレッド(真藤舞衣子さん)」!
ライ麦と全粒粉のサワードゥ(自家製酵母)は、実践的なこの本の影響か、週に二回エサやり忘れずに元気だ。
なによりも、家族との明るい会話が弾む。

多趣味のめぐみ

多趣味のめぐみ

多趣味のめぐみ
2023-06-13
昭和2年生まれ
軍国主義にも、敗戦ショックで教科書を墨塗した否定派にも組しなかった不思議な世代である。
院長の父も同世代で、好奇心とどまることなく、Manners and Customs of Dentistry in Ukiyoeを出版したり、「まんがで読む 八王子歴史物語」一巻、二巻など、歯科医業を営む傍ら著作や寄稿にはげみ、いまも机の上には歴史資料が散乱している。
戦中は軍需工場で、高高度で飛来するB29迎撃用の高射砲の時限装置などをつくり、部品を納めに行った都心では川に浮かぶ無数の死体を見、頭上で爆撃機の弾薬倉が開くのを目にしてきた。
いつしか小食を旨として父は今なお元気だが、瘦せすぎも心配なので、手作りのあまさけを飲んでもらっている。甘さがほどよいと誉めてくれる。
あまさけは、ご存じの通り「飲む点滴(グルコース)」として有名だが、必須アミノ酸、ビタミンB群、豊富な酵素も入っており、炊飯器でもつくれるそうだ。院長はパナソニック圧力鍋の自動設定。
そんなおり、5月に院長の長女夫妻がアメリカから久々に訪ねてきた。
病を得るかどうかなんて誰にもわからないが、自力で歩き身の回りのことも何とかこなし、温かい家族に恵まれ曾孫にも会えるとは、敗戦後の焼け野原を知る父には、たぶん思いもよらなかったことであろう。
義理の息子と英語で語り合う後ろ姿は、やはり院長にとって、おおきな存在である。

昭和2年生まれ

昭和2年生まれ

昭和2年生まれ

昭和2年生まれ
2023-06-11
ノンビリ長生き
庭のあんずが熟してきたのでジャムを作り。煮込みに2時間かかるが、イタリアの諺には、"静かにゆく者は安全に行き、安全行く者は遠くまで行く" とあり、

ローマ時代の雄弁家キケロは、"長生きをしようと思うならゆっくり生きるのが必要だ"と 言った。

三温糖を使ったので濃い色のジャムなのはお愛嬌、お気に入りの電気圧力鍋(Panasonic製)でフタを外して煮詰めれば、ほとんど煮汁が飛ばず(火傷はしない)、ときどき木べらで混ぜては本を読んだりと・・・ゆったり時が流れる。
難症例解決の糸口が見つかるのも、歩くか、こんなゆとりある時間である。

ノンビリ長生き

ノンビリ長生き
2023-06-09
車⇛チャリ⇛登山⇛温泉
晴+休診とあっては心は山へとぶ。
でも野暮用か雨ならきまって手料理だ。

前日はパンとシチューで家族をもてなしたから今日は完全にオフ。
なかでも上養沢の渓谷は小学生の時から友人とチャリで出かけていた場所。
鹿にであうといっそう童心へかえる。
立ち寄った温泉で乾燥ドクダミ(生薬ジュウヤク)を見つけた。
朝の散歩でしばしばお目にかかるご婦人が興味を持っていらしたのでプレゼントするつもりだ。
本草学では、20グラムを1本とする。
通常、1本を水700ccが400ccになるまで煎じて飲むが、手荒れにはタッパーに入れて、手を時々浸す。
昨今我が家は食洗機に変えたので妻や娘達の手荒れはなくなったが、以前はこれがたいへん重宝した。
冷蔵庫に入れておけばタッパーで一週間はもつ。
※ 毒だし、排毒機序の活性によるからだの安定は、総じて "Add minus" と構造医学では呼ばれ、将来の医療ではきわめて有望な概念になろう。

車⇛チャリ⇛登山⇛温泉

車⇛チャリ⇛登山⇛温泉

車⇛チャリ⇛登山⇛温泉

車⇛チャリ⇛登山⇛温泉
2023-06-03
梅雨入り前の原っぱ
3D スキャンと立体造形のシステムは画期的な新技術。その革新的な便利さを、日々院長も実感しています。
もちろん歯列内側のバンドシステムには、従来型の歯型は欠かせませんが、歯型を採るのが苦手な方でも初診から口腔スキャニングができ、必要とあれば3Dプリンティングも行え、口の中を内側から観察できる、動的処置後の保定装置もそのモデルからロボットで精密な装置が製作で来る・・・といった利便性は、患者さんだけでなく、医療者側の恩恵も少なくはないと思います。






2020-11-06
Web開催の国際矯正歯科学会が終了してホッと一息
Web開催の国際矯正歯科学会が終了してホッと一息の11/4、西沢渓谷をたずね、隣の鶏頭山を登ってきました。
翌日、同伴した娘は、鎖場の岩登りで腕が痛いとのこと。
突き抜ける空の青さ、そして紅葉の美しさには、うあはり目を見張ります。




2020-11-02
やはり、人との出会いは大切だな
今年は楽しみにしていた International Orthodontic Congress がWeb開催となりましたが、多くの招待演者のスピーチを聴講することができ、また私も親しい臨床仲間と2演題を Residents Forumに報告することができました。この大会は、各国の時差を越えて情報や臨床経験が共有できた、素晴らしい会合だったと思います。

昨日は日本構造医学会の大阪学術大会があり、京都大学名誉教授 西村和雄学会長のもと、157名の参加で内容の深い議論が交わされました。直接矯正歯科の内容が扱われる訳ではありませんが、医療を取りまく行政政治経済もひろく含めた論議であるため、異なる診療科の医師・柔道整 復師・獣医らの臨床報告は、さまざまな気づきをもたらしてくれます。

終息の見えないなか、徐々にではありますが、人と人とが会って意見を交えることの大切さを、帰途に感じた次第です。




2020-03-10
はやりやまい
文久2年の麻疹禍では、寺の届け出た墓穴数が24307。江戸府人口100万のじつに4分の1にのぼった。

やはり、ゆだんはならない。

「痘鬼」の疱瘡は、美目定め、「疫鬼」の麻疹は、命定め、とおそれられた。
衛生用具と薬品の流通の乱れは徐々にまちの診療所も迫り、床拭きロボットの導入、SARS流行時に導入したカテキン噴霧と診療所内すべての抗菌コーティングなどに追われている。
夜中に診療所に度々戻るのは、AI掃除機や床拭きロボットがキャスター下等々に引っかかって助けを求めるからで、配線処理やら機器の改造等々、けっこう忙しかったが、一段落してみると、診療所室内全体は、すっきり、かつ爽やかになったようである。

2020-01-21
R セミナー研修会 案内
矯正歯科・小児歯科専門医各位へ
第9回 国際矯正歯科会議世界大会の抄録締め切りが迫り、皆様におかれましては、たいへんお忙しい中と存じます。
本年度の「R セミナー研修会」、日程をお知らせします。
お気軽に、お問い合わせください。

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2019-10-31
杉の上に 馬ぞみえ來る 村モミヂ

江戸「句兄弟(下)」の其角が詠んだ。前詞「箱根峠にて」、後詞「秋の空尾上の杉をはなれたり、といふ吟、ここにもかなふべし」
余程自身も気に入ったらしく、わたしも突きぬける秋空をながめると口ずさむ。

知人の専門医には趣味人がおおい。趣味をもたない人がいないと言っても差し支えはない。
先日、高田馬場で素晴らしい治療をしている専門開業医を尋ねた。
バンドの話題になった。
が、はなしがかみあわない。
わたしは矯正歯科用バンドだとてっきり....。
その御方は、音楽のバンド。なるほど趣味はクラッシック音楽、今も演奏を楽しむほどだ。
どの「バンド」?
と、お聞きしてから専門医と臨床話に花を咲かせたい(笑)。

写真は、台風一過御岳山を歩いて目に留まったキノコ。
金沢の専門医仲間に写真をみせたら、「ならたけに似てますが、断定できません」。
彼も、一頭地を抜く「趣味人」である。

2019-09-27
和歌のこつ まきたつやまの 秋の夕暮れ

さびしさは その色としも なかりけり 真木 立つ山の 秋の夕暮れ(寂蓮)を、あしらった其角の俳句。なるほど色失せて味気のない「まき」やら「夕暮れ」を散りばめればご立派な和歌になる・・・
これが「コツ(生気のない骨)」なのでしょうね?といった軽やかさである。
夏休みは三女をともないトルコを満喫。
2019-02-19
梅が香や この一筋を ふきのとう (其角)

「むめのきや この一筋を 蕗のたう(俳諧勧進牒)」とも詠まれるこの句は、
「こつとりと 風のやむ夜は 藪の梅」
「御秘蔵に 墨を摺らせて 梅見かな」
「んかかや 乞食の家も 覗かるる」
「せめともの 貧乏柿に んめの花」などの、其角の梅名句である。

旧暦正月の賀状を、ある御仁より頂戴し、夜空の月の満ち欠けも見忘れていた我に気づいた。
この御方なら、「なつかしき 枝のさけ目や 梅の花(其角)」を推すかもしれない。
2019-02-19
かわらぬ道楽
八王子 歯並び、八王子 矯正歯科
八王子 歯並び、八王子 矯正歯科
八王子 歯並び、八王子 矯正歯科
八王子 歯並び、八王子 矯正歯科

道楽は尽きない。
ガソリンランタンを灯油式へ改造して休日がはじまった(所要2時間)。
(1) バラしてタンク表面を粗目サンドペーパーで磨く。
(2) 点火中もタンクは60℃以下と予測し、スプレー水性塗料を薄く5回重ね塗り。
(3) 驚く勿れ派手な黄色は私のお気に入りのひとつ。
(4) フューエルチューブの穴を錐で1.5mmへ広げる(微妙な技ゆえ、上手くいったためしがない)。
(5) ジェネレーターも灯油式へ変更。コールマンについて貴重な意見を聞けるお店は→
http://www.northfieldshop.com/
(6) Heat protecter は銅板を切り抜いたオリジナルへ変更(暖色系の灯火を欲してぼこと)。
(7) 組み上げたらマントル空焼きし、次いでヒートカップに燃料用アルコールを満たしてプレヒート。
(8) ポンピング後、点火。炎が広がり過ぎる‥‥まあボチボチか?
(9) シーズンズランタン 2007と並べて、コーヒーを片手にしばし悦に入る。
思えば、模型飛行機、自転車いじり、木工等々の試行錯誤で、中学高校をあかしたようなもの。
だから大方の知識は実経験のあとからついてくる、いわば「確認行為」だと、いまだに感じている。
2019-02-18
憎まれて ながらふる人 冬の蠅 (宝井其角)

やんちゃな捨て(子)猫が居ついてしまった。誰と構わず抱きつき乳を吸おうとするので、抱きつかれた方は迷惑千万。
ところで、『五元集』に収されるこの名句は、時代を超え人々の琴線にふれてきた。
昨年、医局の忘年会で、隣り合わせた専門医らと「歯科医師免許更新制」の話題に花が咲いた。
矯正歯科専門医に対する一部の一般歯科医からの風当たりは、昔から強かった。
別の会合の折り、どんな治療をしたのか知らないが、「顎が曲がったからお前のところで診ろ!」と、とある一般歯科医からからまれた。
「症例の概要から察して、すでに手術の適用と思われますので大学病院をご紹介致します。」とこたえたら、
「安やれ、バカヤロー!」ときた。
「一般歯科医師免許更新制」がもし実現するなら、「社会常識」の設問も二三加えて頂きたい(笑)。
2019-02-12
三日月の いのちあやなし 闇のむめ(梅)宝井其角

校正作業に追われ徹夜となったあくる日、本能の欲するにまかせて山を歩き、思いがけない会話を耳にした。
「あの人、呑んだら自慢話ばっかし。」
「う〜うん、呑まなくても自分のことしか話さないの。」
女ふたり、男ひとり‥‥屈託のない笑い声は、しばらくは耳に残った。
心地よい声音(こわね)、山でストレス発散と言い得て妙なものだ。
帰りに、相模湖温泉うるりhttp://www.sagamiko-resort.jp/illumillion/dayplan/
で三日月一日前の、ほっそり優美な月を、露天風呂から愛でたのはさいわいであった。
2019-02-05
初雪は 盆にもるべき 眺めかな(宝井其角)


うっすら雪化粧した山々を眺めての散歩は爽やかである。
帰っては頭寒足熱にて暖房は控え、趣味の灯油ランタンで暖を取り茶をすする‥‥ささやかな楽しみでもあるが、
扱える加圧式ランタンの数にはおのずと限りがあるため、一台、診療所の待合室へ‥‥わるくはないようだ(笑)。
2019-02-04
峯にいる 月やしろりと 富士の山(宝井其角)

午後遅く、三女をともない高尾山へ。
暗がりを下るつもりはなかったが、勢いにまかせて山頂からもみじ台へ。
目にした富士は、江戸の世の「しろり(白り)」そのまま。
2019-02-04
餅花や 灯たてて 壁の影 (宝井其角)

小正月、えのきや柳の枝に、丸めた餅や団子をたくさんさして、五穀豊穣を祈る。
小料理屋で見かけると、「壁の影」が江戸の昔と重なる。
こどもの時分、繭玉ともきき、なんやら正月から見かける美しい飾りだった。

「ヴィンテージランタン」は私の趣味のひとつ。なかでも点火やメインテナンスが難しい灯油の加 圧式が楽しく、スリルもある。読書の御供でもある。
写真は、灯油式に改造した、今風のコールマン North Star 2000。
マントルは暖色豊かで明るさ500CPをほこる。が、VapaluxやTillyに比べて音が大きい。

残念ながら居間に持ち込むと妻と子供から「危ない」と冷たくあしらわれている・・・技術を信用されていないからであろう(笑)。