2024.12.31 大晦日
2024.12.13 潮風
2024.11.01 休日サイクリングは偶然の出会い
2024.11.01 デラックスなサワードゥブレッド
2024.10.18 香ばしいハード系のパン
2024.10.11 雨降り模様
2024.10.11 エアーフローによる歯面清掃
2024.09.27 今季最後の栗拾い
2024.09.20 栗拾いサイクリング
2024.09.13 「食べられるか否か」
2024.09.08 どこからいらしたんですか?
2024.08.17 龍蔵神社
2024.08.06 夏の富士
2024.07.29 花火
2024.07.29 あけてびっくり、玉手箱
2024.07.20 豪快なダウンヒルが楽しめる道
2024.07.12 奥多摩周遊道路
2024.02.02 春のRセミナー開催のお知らせ
2024.01.06 生物学原理 ⑲
2023.12.29 生物学原理 ⑱
2023.12.28 生物学原理 ⑰
2023.12.27 生物学原理 ⑯
2023.12.26 生物学原理 ⑮
2023.12.25 生物学原理 ⑭
2023.12.23 生物学原理 ⑬
2023.12.22 生物学原理 ⑫
2023.12.18 生物学原理 ⑪
2023.12.17 生物学原理 ⑩
2023.12.09 生物学原理 ⑨
2023.12.08 生物学原理 ⑧
2023.11.28 生物学原理 ⑦
2023.11.25 生物学原理 ⑥
2023.11.24 生物学原理 ⑤
2023.11.21 生物学原理 ④
2023.11.20 生物学原理 ③
2023.11.17 生物学原理 ②
2023.11.14 生物学原理 ①
2023.11.13 生物学原理
2023.07.21 アフロヘアー
2023.07.10 たべのものに学ぶ歴史
2023.06.27 秋の「R セミナー」のお知らせ
2023.06.27 新緑のなかのグータッチ
2023.06.26 自家製サワードゥ
2023.06.17 多趣味のめぐみ
2023.06.13 昭和2年生まれ
2023.06.11 ノンビリ長生き
2023.06.09 車⇛チャリ⇛登山⇛温泉
2023.06.03 梅雨入り前の原っぱ
2020.11.06 Web開催の国際矯正歯科学会が終了してホッと一息
2020.11.02 「やはり、人との出会いは大切だな」
2020.03.10 「はやりやまい」
2020.01.21 R セミナー研修会 案内
2019.10.31 「杉の上に 馬ぞみえ來る 村モミヂ」
2019.09.27 「和歌のこつ まきたつやまの 秋の夕暮れ」
2019.02.19 「梅が香や この一筋を ふきのとう (其角)」
2019.02.19 「かわらぬ道楽」
2019.02.18 「憎まれて ながらふる人 冬の蠅 (宝井其角)」
2019.02.12 「三日月の いのちあやなし 闇のむめ(梅)宝井其角」
2019.02.05 「初雪は 盆にもるべき 眺めかな(宝井其角)」
2019.02.04 「峯にいる 月やしろりと 富士の山(宝井其角)」
2019.02.04 「餅花や 灯たてて 壁の影 (宝井其角)」
2018.10.24 「秋の空 尾上の杉を 離れたり」
2018.08.24 「登りはキライ、くだりは苦手」
2018.08.24 「手にさげし 茶瓶やさめて 苔の露(宝井其角)」
2018.05.29 「炎、あがる」
2018.04.29 「免許証更新で「日々新たなり」
2018.04.10 「石ひとつ 清き渚や むき蜆(其角、『涼石』収)」
2018.04.09 「寝時分に又みむ月か初ざくら(其角、元禄11年)」
2018.02.21 「百年泥」
2018.02.19 「京中へ 地主(じじゅ)の桜や 飛(とぶ)胡蝶(こちょう)宝井其角」
2018.02.14 「駒とめて 雪見る僧に 蕗のた(と)う (宝井其角)」
2018.02.06 「梅が香や 乞食の家も のぞかるゝ(宝井其角)」
2017.12.26 「行く年・・・」
2017.11.26 「ネコのうつぶせ寝」
2017.11.13 「紅葉には たが(誰が)教えけん 酒の燗(かん)」
2017.09.20 人せわし 船の揺蕩う 潮の朝
2017.08.14 残暑お見舞い
2017.08.01 ウバユリもしっとり
2017.07.25 夏の夜空のビール
2017.07.23 スムージーダイエット
2017.07.14 棚経や 声の高きは 弟子坊主(其角)
2017.07.11 七夕や 暮露よびいれて 笛をきく(其角)
2017.05.24 ビューティーワールドジャパンへ
2017.04.20 たのめてや 竹に生まるゝ かたつふり(其角)
2017.04.16 明星や さくら定めぬ やまかつら
2017.04.06 アンズ
2017.03.06 いしばしる
2017.02.27 習いの方法
2017.02.02 美男美女 回り灯籠に 廻りけり(其角)
2017.01.19 夜光る 梅のつぼみや 貝の玉(『類柑子』其角)
2016.12.28 寝ごころや 火燵蒲団(こたつぶとん)の さめぬうち(宝井其角)
2016.12.25 損料の 史記も師走の 蛍かな(宝井其角)
2016.10.07 2016オーソトロピクスディ
2016.08.27 雨雲や 竹と酔う火の ひとあつめ(基角)
2016.08.25 のまんとすれば夏の沢水(山崎宗鑑)
2016.08.22 夕映え
2016.08.19 雲の峰
2016.08.17 トマト
2016.08.10 みめぐり
2016.08.07 夏祭り
2016.08.06 夕涼み
2016.08.05 ズッキーニ
2016.07.08 木もれ日に 足をひたさば 沢の水
2016.06.11 ローカリティ再来
2016.04.13 片カナあってこその専門?
2016.04.08 芋の葉に 命を包む し水かな(其角)
2016.04.06 この花は?
2016.03.30 家族愛
2016.03.30 柳には 鼓も打たず 歌もなし(其角)
2016.03.20 こひがんも 墓にむかえる 独りごと
2016.03.18 饅頭で 人を尋ねよ やまざく(其角)
2016.03.17 人の世や のどかなる日の 寺林(其角)
2016.03.15 はまぐりの 焼かれてなくや ホトトギス(其角)
2016.03.07 春雨や ひじきものには かれつつじ(宝井其角)
2016.03.03 狩りをするサル
2016.02.26 梅が香や この一筋を 蕗のとう(宝井其角)
2015.04.14 散る花や 踏皮(たび)をへだつる 足の心(うら)
2015.04.12 花さかり 子であるかるる 夫婦(めおと)かな(宝井其角)
2015.04.06 土手の馬 くはんを無下(むげ)に 菜摘かな (宝井其角)
2015.04.02 黒胡麻で ここをあへぬか 土筆(ツクツクシ)
大晦日
2024.12.31
いそいそ大晦日、正月を迎えるにあたって皆さんはどう過ごされていらっしゃいますか?
家族の朝食に間に合うよう、早起きして今年最後のパン焼き(全粒粉くるみパン)。
発酵を待つ間に、散歩に行ったりあったかなコーヒーで本を読む。
せわしい臨床をはなれたひとときをたのしみました。
義理の父が育てた小麦を精製した全粒粉1/3。
多少シャリシャリですが、ナッツがふんだん、フィグ入り、自家製ならではのアレンジでしょう。
良い御年をおむかえください!
潮風
2024.12.13
学会帰りに小豆島へ立ち寄り、海沿いに電動チャリを漕いでみました。
駐輪場でHello Cyclingなるアプリをダウンロードしてカード決済すれば直ぐ乗れるはずであったが、入力を途中で間違えて苦戦した。
船に同乗していた英国人の若者に、「アプリでわからないことがあったら、聞いてくれ」と冗談を飛ばしたが、彼は「お先に!」とばかりに颯爽と走り去っていった。
休日サイクリングは偶然の出会い
2024.11.01
風張峠経由で奥多摩周遊道路へでて、奥多摩湖へ下り、紅葉前の湖畔を散策、再び周遊道路をのぼって五日市に戻った。
浅間尾根駐車場、妙技のようなドローンの操縦を見かけたので、お話を伺ったらところ兜屋旅館のご主人でいらした。
「アップされている動画を御覧下さい」と、兜屋旅館の玄関口で偶然またお目にかかったので、渓流を眺めながら歓談を楽しませていただき、図々しくもアクアポリンの水とコーヒーを頂いた。からだに染み込む水とはこれなんだなあ、と実感。
海外からも動画や画像に関して問い合わせが来る程の腕前におもわず唸り、妻や子供たちと食事に是非お伺したい。
兜屋旅館 https://kabutoya.net/
空撮アルバム https://vimeo.com/showcase/4881836
デラックスなサワードゥブレッド
2024.11.01
ライ麦と全粒粉のサワー種を半々使って焼きました。クランベリー、チョコ、ココナッツ、ナッツ三種類とフィグ入り。一次発酵は冷蔵庫一日、290℃13分、230℃10分の焼成。ヤバいおいしさです。
https://youtube.com/watch?v=qMJnoub-kJs
香ばしいハード系のパン
2024.10.18
「パン屋のサッちゃん」は自家製酵母でパン焼きを楽しむ人にはお勧めのYouTube。
親戚が来るので、市販ではあまり見かけないライ麦パンを焼いてみた。
400gの小麦で2個。
酵母菌にエサやりを週一回のペースで続けるので、パン作りもそれに合わせている。
わからないことだらけなのだが、未知の世界がさらなる興味をそそる。
雨降り模様
2024.10.11
雲行きが怪しい。1000mの峠で雨脚が強まりズブ濡れとなる。
「下りは颯爽と風を切ろう」なんて浅はかな期待とは裏腹に、ただ寒い。
走ればからだが温まるとおもって、自転車を片手で押しながら走っていたらあらたな林道をみつけ、あらたな光景を目にした。
エアーフローによる歯面清掃
2024.10.11
歯並び治療でも、「口腔衛生」はとても大事!
このところスイスEMS社のエアーフローをよく使います。
スゴイ頻度!!
治療前・後、定期観察、装置を接着する前、また保護者の方へ歯磨きが完璧な状態を体覚していただくために。
写真は50代の女性で、日頃デンタルフロスもし、素晴らしい清掃状態ですが、染め出すとやはり少々プラークがあります。
はじめて「えあーふろー」変換したら「エアー不老」‥‥悪くはないですね。
今季最後の栗拾い
2024.09.27
また奥多摩周遊道路をクロスバイクで楽しみ、栗拾いに精を出した。
収穫は4㎏くらいかな?
鍋三個で茹でて、小粒の山栗だから食べやすく半分に切って冷蔵庫に保存。
娘の一人はスプーンで掬う手間も面倒とばかりに、そのまま器用に噛んで身を押し出す特技を習得した。
「あまり噛むと渋みが出るよ!」
と指導してくれた。
栗拾いサイクリング
2024.09.20
休診、晴となれば自転車。
急勾配で名高い風張峠を抜けて奥多摩周遊道路へのぼり佛沢の滝にもどる、クロスバイクにはうってつけのコース。
フルカーボン軽量なので、ペダルの踏み込みは電動のように軽い。
周遊道路は車とバイクがコーナリングを楽しめるの場所で、運転手は道ばたの無数の栗には気づかない。
帰りはリュックサックに拾い集めた山栗を詰め込んみ、爽快なダウンヒル。
この季節ならではの小さな山栗だが、包丁で半分にしてスプーンでほじくる食べ方でも忍耐力がいる。
「食べられるか否か」
2024.09.13
キノコの名前はスーパーの食品売り場で間違えるくらいだから、所詮きいても覚えられないと私はあきらめている。
でも「食べられるか否か」は知りたい。
ところでアライナー矯正歯科治療の患者さんが徐々に増えてきた。
適応症の慎重な選択や、ときにはリカバーの繊細な技術が必須の治療法として知られるが、診断とプログノーシスの大切さはかわらない。工学技術とソフトウェアーの進歩に、時代の風潮が加味されて、結果、歯並び治療はあらたな局面を迎えている。
「開咬症例にはアンカースクリュー(皮質骨へねじ込むチタン製ビス)を植立しなくても大臼歯の圧下移動がある程度は可能になったので、オープンバイト(開咬症例)には有利だ」と、知人のメールからは喜びと意気込みが伝わってきた。
以前かれの診療所を見学した折、インビザライン関係図書にもめったに目にすることのない見事な仕上がりの難症例をご教授いただいた。
キノコ狩りの名人でもあるかれに、さっそく山で見かけたキノコをみてもらったら、「たまごだけ」といそうだ。
昨日は砂利道OKのロードレーサー(タイヤ:700C×35mm)で山の麓へ行き、歩いて鎖場と悪路の山へのぼる定番のコース。
チャリで下るときはフロントフォークが折れはしないかと思う衝撃が、手から首へ伝わり、クロスバイク専門店のブログあった「酷道」「険道」なる言葉が頭に浮かんだ。
でも体力の限界までペダルを漕ぐ瞬間、心は高校時代にもどる。
どこからいらしたんですか?
2024.09.08
養沢神社から急登のサルギ尾根を経て上高岩にのぼり、鎖場をくだってロックガーデン(御岳山の有名な岩石園)に至るコース‥‥筆者のお気に入りだが、いまだ人に出会ったことはない。
ところで休日のロックガーデンは、御岳ケーブルで気軽に行くことができて「東京の奥入瀬渓谷」と喩えられるほどの賑わいをみせる。神社のある御岳の町自体が、霊山にとけこんだ不思議で魅力的な観光地である。
ロックガーデンでひとりのアジア系の女性が坐り込んでいたので、
「コンニチワ、どこ(どのお国)からいらしたんですか?」ときいたら、
From the mountain.
よく伝わっていないようだ。
くたくたに疲れながら「ロックガーデンに行きたいんだけど、どこにあるですか?」と訊かれて
This is exactly where we are!と励ましたら、にわかに元気が湧いていらしたようだ。
異国の初めての土地、しかも山のなかとあっては、だれでも不安を感じるものである。
美しい自然はおのずと人の心まで和ませる。今回は(も)都会ではめったに体験できない出会いに恵まれた。
龍蔵神社
2024.08.17
石船山龍蔵神社は、八王子の最高峰 醍醐丸へ向かう途中にある。
上恩方から案下川に沿って自転車で和田峠へ、そこから陣馬山を登り、かえりは醍醐林道を下るコースの途中、訪ねてみた。
むかしやけどを負った赤ちゃんの回復祈願にその母親が通い、「ついに願いが叶った」、ときいたことがあるが、創建は平安後期に遡ると知り、おどろいた。
夏の富士
2024.08.06
雲海
「白雪にくろき若衆や冨士まうで(宝井其角)」
吉田口から山頂を目指して富士に登る。陽ざしがヒリヒリと肌に射す。
ここ数年は輪行で河口湖から自転車でスバルライン三合目へ、ノンビリ巡礼道を観光客で賑わう五合目へ向い、お中道をぐるりと回って御庭に至り、そこから鬱蒼とした森林を抜けて三合目にもどるコースを楽しんでいた。ながらく麓の豊かな植生に魅了されてきたのである。
今回は、壮大な雲海とつきぬける空を、家族とともに満喫した。
花火
2024.07.29
小屋涼し 花火の筒の わるる音
涼を楽しむ江戸の句だ。
夕涼みとはいかなかったが、毎年心が浮かれるこの季節、むすめ等と妻とチャリで会場に向かった。
あけてびっくり、玉手箱
2024.07.29
知人からの贈り物に家族一同歓喜した。
「チョー、ナイス!(妻)」。
高知でご開業の素晴らし専門医で、粋なお心遣いには、ただただ感謝。
嬉しさあまって、ヒグラシの声をききに小宮公園へ夕涼みへ出かけ、帰りは浅川から大岳山を臨んだ。
豪快なダウンヒルが楽しめる道
2024.07.20
はじめて友達等とここを訪れたのは小学時分。内緒で七人、午前二時に集まり、ところどころ凍結する道を八王子から奥多摩湖、奥多摩有料(昭和47年開通当時の名)を抜けて五日市経由で八王子へ戻った。おそれ知らないガキどもは途中で水が尽き、渇きのなかで風張峠に着いた。
一番欲したのは、水だった。
今日はデイトナという電動チャリで風張林道を経由して五日市に下りる、いつものコース。
車では気づかずに通り過ぎてしまう風景、沢、ヒグラシや野鳥の声、さわやかな風を、自転車なら存分に味わえる。
平均15%の登りは電動でも立ちこぎを余儀なくされるが、小学時代の鼻水をたらしながらチャリを漕いだ寒空と登り道の喉の渇きをおもえばなんてことはない。
いや、恵まれすぎている。
奥多摩周遊道路
2024.07.12
五日市から北秋川を延々とのぼり、風張林道を抜けて奥多摩周遊道路最高地点へ出るサイクリングを楽しみました。先週は汗だくだくのクロスバイス、今週は霧雨の中の電動チャリで楽々ライド(予備電池搭載)。どちらも爽快!街中のポタリング自転車とはおもえない、しっかりした走りを見せてくれました!
下りはヒグラシの声を聞きなながらのんびりと....。
春のRセミナー開催のお知らせ
2024.02.02
生物学原理 ⑲
2024.01.06
Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)
*アルファベット順 (生物学原理 ⑱の続き)
生物学原理 ⑱
2023.12.29
Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)
*アルファベット順 (生物学原理 ⑰の続き)
生物学原理 ⑰
2023.12.28
Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)
*アルファベット順 (生物学原理 ⑯の続き)
生物学原理 ⑯
2023.12.27
Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)
*アルファベット順 (生物学原理 ⑮の続き)
生物学原理 ⑮
2023.12.26
Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)
*アルファベット順 (生物学原理 ⑭の続き)
生物学原理 ⑭
2023.12.25
Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)
*アルファベット順 (生物学原理 ⑬の続き)
生物学原理 ⑬
2023.12.23
Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)
*アルファベット順 (生物学原理 ⑫の続き)
生物学原理 ⑫
2023.12.22
Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)
*アルファベット順 (生物学原理 ⑪の続き)
生物学原理 ⑪
2023.12.18
Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)
*アルファベット順 (生物学原理 ⑩の続き)
生物学原理 ⑩
2023.12.17
Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)
*アルファベット順 (生物学原理 ⑨の続き)
生物学原理 ⑨
2023.12.09
Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)
*アルファベット順 (生物学原理 ⑧の続き)
生物学原理 ⑧
2023.12.08
Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)
*アルファベット順 (生物学原理 ⑦の続き)
生物学原理 ⑦
2023.11.28
Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)
*アルファベット順 (生物学原理 ⑥の続き)
生物学原理 ⑥
2023.11.25
Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)
臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した最大非侵襲・最大成果を旨とする、患者個々人に合わせた臨床思考だ. 時代ごとに現れる新技術・新知見を生物学原理から精査し、それらをどんどん呑み込んで発展する可能性は無限だ.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.
*アルファベット順 (生物学原理 ⑤の続き)
22. Different feature between Maxilla and Mandible 歯の移動、大臼歯のanchorage保全、orthopedic alterationの可否に関連した解剖学的な相違。上顎複合体は下顎骨よりもはるかに軽く、咬合力を伝達する外側の皮質骨を除外すれば、鼻腔と副鼻腔が存在し、海綿骨が豊富である。一方、下顎骨は、咀嚼と嚥下に積極的に関与し、重錘(ほぼ皮質骨の塊)として姿勢制御系にも参与するといわれる。海綿骨が豊富な場所もあるが(歯槽突起・下顎頭・下顎枝の内面など)、全体としてはきわめて緻密でずっしりと重たい。当然ながら、下顎歯の移動に関する生物学的な制約はつよくはたらき、実際にもむずかしい。正確な下顎歯牙の移動には、皮質骨の分布を踏まえた「樋状構造」の概念が欠かせない。外側の皮質骨に囲われた狭い海綿骨の中で歯牙移動を行う基本的な術式だ。
23. Ellipses on the cone 円錐形状は生物の「原器」である。Rickettsが内臓頭蓋の各所に観察される円錐構造・円錐面上曲線に着目したのは、親交の深かった人類学者 Lloyd DuBrul(1909-1996)の影響かもしれない。円、楕円、放物線、双曲線、対数螺線といった生体の各所に観察される形状は、すべて円錐を切る角度で表現される。種によって特徴的な歯列の形状、Ba-N planeが底面となりオトガイを頂点とする内臓頭蓋の円錐構造、口腔円錐に現れるモンソン弯曲やスピーカーブ、螺旋顆状をなす下顎頭(膝関節と相似形)、下顎の弓状成長、歯根と歯冠に観察される円錐の形は、すべて原器の特徴を継承している。
24. Extra-oral anchorage(顎外固定) E. H. Angleの時代、顎外固定は歯牙移動に限局したanchorageの強化概念であったが、患者の年齢や適用の方法によっては、中顔面のorthopedic alterationがもたらされることが次第に明らかになってゆく。1953年セファログラムで最初に確認したのがシカゴの女性小児歯科医師 Buleah Nelson、つぎにセファログラムで客観的に証明したのが R. M. Ricketts。以後、小児の上顎前突症例にorthopedic deviceとしてcervical traction、high pull headgear、combination type、reverse pull headgear(牽引方向による分類)、face bowやJ-hookを含めればさまざまなタイプのHeadgearが普及した。TAD(矯正歯科用アンカースクリュー)が普及したとはいえ、extra-oral anchorageは、若年期の小臼歯抜歯症例では有効な選択肢のひとつである。
25. Four-position procedure 2枚のLateral film上で行う4つの重ね合わせのこと。軟組織の重ね合わせを含めると5箇所になるので、単に「Superimposition」ともいう。撮影直後のフィルム(画像)にTime 1トレースを重ねて、歯やorthopedicな変化を確認することも忙しい臨床ではよくある。デジタルの画像であっても、適切なサイズのモニターへ映し出せば、重ね合わせは十分可能だ。順繰りに重ねる過程なので “procedure” と呼ぶ。Ba-N at CCでオトガイを評価(S1 *S; superimposition)、Ba-N at NasionでPoint Aを 評価(S2)、トレースをずらしてANS-PNSにて合わせて “Greatest fit” するところでU6とU1を評価(S4)、Corpus axis at PmでL1とL6を評価(S3)、2枚のE-planeを機能咬合平面の高さで合わせて上下の口唇やオトガイの緊張を評価(S5)する。このほか、下顎arcの重ね合わせなど、さまざまな活用法がある。
生物学原理 ⑤
2023.11.24
Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)
*アルファベット順(生物学原理④の続き)
生物学原理 ④
2023.11.21
Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)
*アルファベット順(生物学原理③の続き)
生物学原理 ③
2023.11.20
*アルファベット順(生物学原理②の続き)
生物学原理 ②
2023.11.17
*アルファベット順(生物学原理①の続き)
生物学原理 ①
2023.11.14
*アルファベット順
生物学原理
2023.11.13
どんな歯ならび治療も、生物学原理にもとづいておこわれています。
Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)
臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した、最大非侵襲・最大成果を旨とする臨床思考だ. だから時代ごとに現れる新技術・新知見をどんどん呑み込んで発展する.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.
アフロヘアー
2023.07.21
あまりの暑さに耐えかね、行きつけの床屋で髪を短くそろえてもらったら、ツンツン立ってアフロヘアーのようになった。濡らせば落ち着くが、乾けば立ち上がる。
去年もおなじで、その時は「どうしたらいい?」と娘にきいたら「思い切って剃っちゃえば?」と軽くいなされたのを思い出した。
あたらしく診療所のパンフレットこしらえている最中だが、頭が軽くなった分、たしかにパンフレット構成もサッパリした。
たべのものに学ぶ歴史
2023.07.10
ライ麦パンの魅力だけではない、豊かなドイツパン
はじめて英国を旅したときに立ち寄ったコンビニ店。
そこで生涯忘れられないサンドウィッチに出会った。
ライ麦パンにはさんだハムとレタス、相性は抜群。
その味を、とおもって今でもライ麦パンを焼いている。
The Encyclopedia of German Bread
ドイツパン全集(森本 智子)の本には、豊富な種類のドイツパンが地方史から材料、発酵、焼き方まで、美しい写真とともに紹介されていて、楽しい、のひとこと。
秋の「R セミナー」のお知らせ
2023.06.27
専門医を対象とした研修会です。お問い合わせ・お申し込みは、オーソデントラム社へ!
新緑のなかのグータッチ
2023.06.27
おのずと山やサイクリングのコースも沢沿いになる。
今日は清々しい世田谷の会社員と二組のカップル、そしてニューヨークの救急救命医と出会った。Dr. Austinは7年前に京都でひと月ほど日本語を学んだ方。「わたしの名前は、かつ、よろしく」と挨拶したら「カツ丼のかつですね」と軽くジョークを飛ばす高身長ハンサムな若手医師だ。
話が弾んで、長女がサンディエゴで在住でつれ合いの夫はとても優しいことを伝えたら、帰り際、互いのハッピーライフを祈ってグータッチ。
「I’m very proud of my son in law because he’s good husband as well as good father!」と伝えるのを忘れていたことに気づいた。
自家製サワードゥ
2023.06.26
発酵食は奥が深く、何よりも自分で「挑戦」やら「工夫」ができるところが魅力だ。
発酵を待つ間は、のんびりと時間が流れ、じっさい食卓も華やかさを増す。
写真左はライ麦種、右は全粒粉種。
テーブルの左はそれらで作ったパン、右は発酵を待つ間に焼いたビスコッティ。
診療後のささやかな楽しみに、と思っていても、自宅に戻るとなくなっていることしばしば。
近頃は多めに焼くことにしている。
昭和2年生まれ
2023.06.13
軍国主義にも、敗戦ショックで教科書を墨塗した否定派にも組しなかった不思議な世代である。
院長の父も同世代で、好奇心とどまることなく、Manners and Customs of Dentistry in Ukiyoeを出版したり、「まんがで読む 八王子歴史物語」一巻、二巻など、歯科医業を営む傍ら著作や寄稿にはげみ、いまも机の上には歴史資料が散乱している。
戦中は軍需工場で、高高度で飛来するB29迎撃用の高射砲の時限装置などをつくり、部品を納めに行った都心では川に浮かぶ無数の死体を見、頭上で爆撃機の弾薬倉が開くのを目にしてきた。
いつしか小食を旨として父は今なお元気だが、瘦せすぎも心配なので、手作りのあまさけを飲んでもらっている。甘さがほどよいと誉めてくれる。
あまさけは、ご存じの通り「飲む点滴(グルコース)」として有名だが、必須アミノ酸、ビタミンB群、豊富な酵素も入っており、炊飯器でもつくれるそうだ。院長はパナソニック圧力鍋の自動設定。
そんなおり、5月に院長の長女夫妻がアメリカから久々に訪ねてきた。
病を得るかどうかなんて誰にもわからないが、自力で歩き身の回りのことも何とかこなし、温かい家族に恵まれ曾孫にも会えるとは、敗戦後の焼け野原を知る父には、たぶん思いもよらなかったことであろう。
義理の息子と英語で語り合う後ろ姿は、やはり院長にとって、おおきな存在である。
ノンビリ長生き
2023.06.11
庭のあんずが熟してきたのでジャムを作り。煮込みに2時間かかるが、イタリアの諺には、"静かにゆく者は安全に行き、安全行く者は遠くまで行く" とあり、
ローマ時代の雄弁家キケロは、"長生きをしようと思うならゆっくり生きるのが必要だ"と 言った。
三温糖を使ったので濃い色のジャムなのはお愛嬌、お気に入りの電気圧力鍋(Panasonic製)でフタを外して煮詰めれば、ほとんど煮汁が飛ばず(火傷はしない)、ときどき木べらで混ぜては本を読んだりと・・・ゆったり時が流れる。
難症例解決の糸口が見つかるのも、歩くか、こんなゆとりある時間である。
車⇛チャリ⇛登山⇛温泉
2023.06.09
晴+休診とあっては心は山へとぶ。
でも野暮用か雨ならきまって手料理だ。
前日はパンとシチューで家族をもてなしたから今日は完全にオフ。
なかでも上養沢の渓谷は小学生の時から友人とチャリで出かけていた場所。
鹿にであうといっそう童心へかえる。
立ち寄った温泉で乾燥ドクダミ(生薬ジュウヤク)を見つけた。
朝の散歩でしばしばお目にかかるご婦人が興味を持っていらしたのでプレゼントするつもりだ。
本草学では、20グラムを1本とする。
通常、1本を水700ccが400ccになるまで煎じて飲むが、手荒れにはタッパーに入れて、手を時々浸す。
昨今我が家は食洗機に変えたので妻や娘達の手荒れはなくなったが、以前はこれがたいへん重宝した。
冷蔵庫に入れておけばタッパーで一週間はもつ。
※ 毒だし、排毒機序の活性によるからだの安定は、総じて "Add minus" と構造医学では呼ばれ、将来の医療ではきわめて有望な概念になろう。
梅雨入り前の原っぱ
2023.06.03
3D スキャンと立体造形のシステムは画期的な新技術。その革新的な便利さを、日々院長も実感しています。
もちろん歯列内側のバンドシステムには、従来型の歯型は欠かせませんが、歯型を採るのが苦手な方でも初診から口腔スキャニングができ、必要とあれば3Dプリンティングも行え、口の中を内側から観察できる、動的処置後の保定装置もそのモデルからロボットで精密な装置が製作で来る・・・といった利便性は、患者さんだけでなく、医療者側の恩恵も少なくはないと思います。
Web開催の国際矯正歯科学会が終了してホッと一息
2020.11.06
Web開催の国際矯正歯科学会が終了してホッと一息の11/4、西沢渓谷をたずね、隣の鶏頭山を登ってきました。
翌日、同伴した娘は、鎖場の岩登りで腕が痛いとのこと。
突き抜ける空の青さ、そして紅葉の美しさには、うあはり目を見張ります。
「やはり、人との出会いは大切だな」
2020.11.02
今年は楽しみにしていた International Orthodontic Congress がWeb開催となりましたが、多くの招待演者のスピーチを聴講することができ、また私も親しい臨床仲間と2演題を Residents Forumに報告することができました。この大会は、各国の時差を越えて情報や臨床経験が共有できた、素晴らしい会合だったと思います。
昨日は日本構造医学会の大阪学術大会があり、京都大学名誉教授 西村和雄学会長のもと、157名の参加で内容の深い議論が交わされました。直接矯正歯科の内容が扱われる訳ではありませんが、医療を取りまく行政政治経済もひろく含めた論議であるため、異なる診療科の医師・柔道整 復師・獣医らの臨床報告は、さまざまな気づきをもたらしてくれます。
終息の見えないなか、徐々にではありますが、人と人とが会って意見を交えることの大切さを、帰途に感じた次第です。
「はやりやまい」
2020.03.10
文久2年の麻疹禍では、寺の届け出た墓穴数が24307。江戸府人口100万のじつに4分の1にのぼった。
やはり、ゆだんはならない。
「痘鬼」の疱瘡は、美目定め、「疫鬼」の麻疹は、命定め、とおそれられた。
衛生用具と薬品の流通の乱れは徐々にまちの診療所も迫り、床拭きロボットの導入、SARS流行時に導入したカテキン噴霧と診療所内すべての抗菌コーティングなどに追われている。
夜中に診療所に度々戻るのは、AI掃除機や床拭きロボットがキャスター下等々に引っかかって助けを求めるからで、配線処理やら機器の改造等々、けっこう忙しかったが、一段落してみると、診療所室内全体は、すっきり、かつ爽やかになったようである。
R セミナー研修会 案内
2020.01.21
矯正歯科・小児歯科専門医各位へ
第9回 国際矯正歯科会議世界大会の抄録締め切りが迫り、皆様におかれましては、たいへんお忙しい中と存じます。
本年度の「R セミナー研修会」、日程をお知らせします。
お気軽に、お問い合わせください。
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杉の上に 馬ぞみえ來る 村モミヂ
2019.10.31
江戸「句兄弟(下)」の其角が詠んだ。前詞「箱根峠にて」、後詞「秋の空尾上の杉をはなれたり、といふ吟、ここにもかなふべし」
余程自身も気に入ったらしく、わたしも突きぬける秋空をながめると口ずさむ。
知人の専門医には趣味人がおおい。趣味をもたない人がいないと言っても差し支えはない。
先日、高田馬場で素晴らしい治療をしている専門開業医を尋ねた。
バンドの話題になった。
が、はなしがかみあわない。
わたしは矯正歯科用バンドだとてっきり....。
その御方は、音楽のバンド。なるほど趣味はクラッシック音楽、今も演奏を楽しむほどだ。
どの「バンド」?
と、お聞きしてから専門医と臨床話に花を咲かせたい(笑)。
写真は、台風一過御岳山を歩いて目に留まったキノコ。
金沢の専門医仲間に写真をみせたら、「ならたけに似てますが、断定できません」。
彼も、一頭地を抜く「趣味人」である。
和歌のこつ まきたつやまの 秋の夕暮れ
2019.09.27
さびしさは その色としも なかりけり 真木 立つ山の 秋の夕暮れ(寂蓮)を、あしらった其角の俳句。なるほど色失せて味気のない「まき」やら「夕暮れ」を散りばめればご立派な和歌になる・・・
これが「コツ(生気のない骨)」なのでしょうね?といった軽やかさである。
夏休みは三女をともないトルコを満喫。
梅が香や この一筋を ふきのとう (其角)
2019.02.19
「むめのきや この一筋を 蕗のたう(俳諧勧進牒)」とも詠まれるこの句は、
「こつとりと 風のやむ夜は 藪の梅」
「御秘蔵に 墨を摺らせて 梅見かな」
「んかかや 乞食の家も 覗かるる」
「せめともの 貧乏柿に んめの花」などの、其角の梅名句である。
旧暦正月の賀状を、ある御仁より頂戴し、夜空の月の満ち欠けも見忘れていた我に気づいた。
この御方なら、「なつかしき 枝のさけ目や 梅の花(其角)」を推すかもしれない。
かわらぬ道楽
2019.02.19
憎まれて ながらふる人 冬の蠅 (宝井其角)
2019.02.18
やんちゃな捨て(子)猫が居ついてしまった。誰と構わず抱きつき乳を吸おうとするので、抱きつかれた方は迷惑千万。
ところで、『五元集』に収されるこの名句は、時代を超え人々の琴線にふれてきた。
昨年、医局の忘年会で、隣り合わせた専門医らと「歯科医師免許更新制」の話題に花が咲いた。
矯正歯科専門医に対する一部の一般歯科医からの風当たりは、昔から強かった。
別の会合の折り、どんな治療をしたのか知らないが、「顎が曲がったからお前のところで診ろ!」と、とある一般歯科医からからまれた。
「症例の概要から察して、すでに手術の適用と思われますので大学病院をご紹介致します。」とこたえたら、
「安やれ、バカヤロー!」ときた。
「一般歯科医師免許更新制」がもし実現するなら、「社会常識」の設問も二三加えて頂きたい(笑)。
三日月の いのちあやなし 闇のむめ(梅)宝井其角
2019.02.12
校正作業に追われ徹夜となったあくる日、本能の欲するにまかせて山を歩き、思いがけない会話を耳にした。
「あの人、呑んだら自慢話ばっかし。」
「う〜うん、呑まなくても自分のことしか話さないの。」
女ふたり、男ひとり‥‥屈託のない笑い声は、しばらくは耳に残った。
心地よい声音(こわね)、山でストレス発散と言い得て妙なものだ。
帰りに、相模湖温泉うるりhttp://www.sagamiko-resort.jp/illumillion/dayplan/
で三日月一日前の、ほっそり優美な月を、露天風呂から愛でたのはさいわいであった。
初雪は 盆にもるべき 眺めかな(宝井其角)
2019.02.05
うっすら雪化粧した山々を眺めての散歩は爽やかである。
帰っては頭寒足熱にて暖房は控え、趣味の灯油ランタンで暖を取り茶をすする‥‥ささやかな楽しみでもあるが、
扱える加圧式ランタンの数にはおのずと限りがあるため、一台、診療所の待合室へ‥‥わるくはないようだ(笑)。
峯にいる 月やしろりと 富士の山(宝井其角)
2019.02.04
午後遅く、三女をともない高尾山へ。
暗がりを下るつもりはなかったが、勢いにまかせて山頂からもみじ台へ。
目にした富士は、江戸の世の「しろり(白り)」そのまま。
餅花や 灯たてて 壁の影 (宝井其角)
2019.02.04
小正月、えのきや柳の枝に、丸めた餅や団子をたくさんさして、五穀豊穣を祈る。
小料理屋で見かけると、「壁の影」が江戸の昔と重なる。
こどもの時分、繭玉ともきき、なんやら正月から見かける美しい飾りだった。
「ヴィンテージランタン」は私の趣味のひとつ。なかでも点火やメインテナンスが難しい灯油の加
圧式が楽しく、スリルもある。読書の御供でもある。
写真は、灯油式に改造した、今風のコールマン North Star 2000。
マントルは暖色豊かで明るさ500CPをほこる。が、VapaluxやTillyに比べて音が大きい。
残念ながら居間に持ち込むと妻と子供から「危ない」と冷たくあしらわれている・・・技術を信用されていないからであろう(笑)。
「秋の空 尾上の杉を 離れたり(其角 1661-1707)」
2018.10.24
楽しみにしていた熊本の構造医学会合であるが、土日に矯正歯科専門書の英文校正をすすめるためにキャンセル。
切羽詰まった事ゆえ、致し方ない。
が、作業開始前のひととき、突き抜ける青空に高尾薬王院へ出かけてみようか、と話が弾んだ。
妻同伴」というのは、私の記憶では“きわめて”めずらしいのではないか(笑)。
「登りはキライ、くだりは苦手」
2018.08.24
陽気に誘われ早朝愛車(自転車)をたたみ電車に乗った。
河口湖を回り、山中湖、道志川にそって相模湖辺りに着く、そんなコースが頭に浮かんでいた。
でも、川口浅間神社に拝してしめ縄の大樹を見ているとすがすがしい気分になった。
そう、まっすぐ峠茶屋をたずねるのもわるくはない・・・御神託ではない。
途中、三ツ峠山登山口、とある。
気軽なサイクリングがいつしか登山にかわり、水筒も空。幸いにも山小屋「四季楽園」で水分補給。
屏風岩を眺めながら、ジャーナリスト近藤紘一書「したたかな敗者たち(文春文庫)」を読み終え、大国イデオロギーに翻弄されたインドシナの社会闘争の個々人に思いをはせつつ、富士を眺める。
くだりは、御巣鷹山経由でひたすら歩き、自転車にもどってから爽快な舗装林道のダウンヒル。
山で、おしどり夫婦のこんな会話を耳にした。
「おまえ、山が好きなくせに、『登りはキライ、くだりは苦手』って言ってるよね(笑)。」
「手にさげし 茶瓶やさめて 苔の露(宝井其角)」
2018.08.24
「どこにすわろうか?」などとウロウロする間に茶瓶の湯がさめた、そんな即興句とみえる。
このところ輪行の自転車で各地を訪ねる。
湖畔や芝生、木立の中で‥‥夏の休日は汗にまみれて痙攣一歩手前の足を投げ出しての読書。
富士五湖巡りならば樹海の静寂に寝転んで読み耽りたいところだが、
恰好の岩と切り株に苔がむして「どこにすわろうか?」のあいにくのパターンだ。
「炎、あがる」
2018.05.29
加圧式灯油ランタン(Petromax HK500)は、おおくのアウトドアー派が憧れる一品。
扱いにくさと、200をこえる部品数のメインテナンスは、すでにマニアの世界である。
私もそこにはまり込んだ。
4年愛用のペトロマックスHK500が、点火時火を噴くことしばしば・・・
バラしてジェネレーター(vaporizer:気化器)まわりの部品を変えりもしたが、機嫌は直らず仕舞い。
誰もWeb上に報告していないようなので、改善ならびに解決策をしたためた。
(1) 自転車の携帯空気入れ使用可能のポンプアダプターに交換(汗だくのポンピング作業から解放)。
(2) プレヒートにはアルコールへ全面変更(灯油噴射法は豪快だが臭を伴い、初期圧力が過大。これは「空気:灯油」の混合比を狂わす一因だろう。予熱アルコールは2皿程度)。
(3) その後、圧力計横のバルブを閉じ、ホールエキセントリックを下向き(少し斜めで完全燃焼することもあり)に設定、そして徐々に加圧すると綺麗に点火。炎が安定したら追加加圧。でも圧力計「赤」の半分を越えてはならない。迂闊にポンプすればマントルは煤だらけに。
あわや火傷!というスリルをマニアは「火入れ式」と呼ぶ。人によっては予熱バーナーを使った点火に「心臓が口から飛び出る」ほどの感動を覚えるそうだ。
しかし(3)の方法で拍子抜けするほど従順に変貌したPetromax HK500から放たれる灯火も、やはりうつくしい。
以上は、先月購入のヴェイパラックスM320http://www.lan-terns.comの点火機構にならった。
もちろん妻からすれば「どうでもいいオトコの遊び」だが、趣味の仲間に一刻も早く知らせようと思い立った次第である(笑)。
「免許証更新で「日々新たなり」」
2018.04.29
今日は運転免許証の更新。教官の方が、しきりに高齢者(高齢者の運転、高齢者の歩行ならびに自転車)の注意を促し「皆さんもやがては・・・」と強調、幾度となく私と目がピッタリ合ってしまう(笑)。
でも、教本・手引きを読み直して身が引き締まるのは必要なことだ。
話は変わるが・・・
速やかに歯科医師免許も更新制度に移行しないと、若い歯学部生、歯科医師の将来の芽を摘み取りかねない、と方々の会合で異業種の人へ伝えている。
既存権利とやら肩書きだけで飯うのは・・・見苦しい。
こんな話をある若い歯科医師にしたところ「えー、もう試験なんて!」・・・それが内に潜む魔性というものだ。平たく言えば「世間様に申し訳が立たない」という絶妙なバランス感覚が培われない。
すくなくとも、それ(=更新制度)は自然であろう。
写真:天気に誘われ富士五湖巡り。
「寝時分に又みむ月か初ざくら(其角、元禄11年)」
2018.04.10
思い立ったが吉日‥‥富士五湖へ輪行のサイクリング。湖畔で司馬遼太郎さんの『断章八つ』を読んでは利休死の背景を知り、春風に昼寝をむさぼる。
ときに樹海を横切っては、本栖湖から下部温泉まで豪快なダウンヒルで汗をかわかす。
西湖畔りのそば屋(彩呼亭 tel 0555-82-3144)は、俳優故高倉健さんのお気に入り。おかみさんへの温かい手紙等々から彼の繊細な気遣いが伝わる。
文化勲章受章に際して縁りの人々に宛てたその書状には、
「・・・新たなストーリーとの出逢いを楽しみに、感動する心を養いたいと思います」、と。
※写真中、2枚の解説:風穴が養蚕(蚕種の保管と孵化の時期の調整による絹の輸出増産)にまで利用されていたとのことである。富岳風穴の中で思わず、『この国のかたち 第一巻(司馬遼太郎)』の”雑貨屋の帝国主義”一章がわかる気がした。また、自転車をたたんで列車で旅するのを「輪行」という。私が歯科大時代はクイックレバーで車輪は外せたが結構かさばった。今やフレーム自体がたためるので便利、しかも軽い!
身延線甲斐常葉駅から甲府、そこからスーパーあずさで八王子へ。
「寝時分に又みむ月か初ざくら(其角、元禄11年)」
2018.04.09
富士五湖巡りの自転車日帰りツーリングのはずが、電車を乗り間違えた「おかげ」で思わぬ遠出となった。
娘との一泊二日のサイクリング、輪行で訪れた清里高原は桜がちらほら。
八ヶ岳に新緑がはじまり、川俣東沢渓谷も清々しい。
月夜の「清里の村」は、小川のせせらぎも心地よく、なによりも時(とき)がやったりとながれる。
「百年泥」
2018.02.21
マドラス(チェンナイ)舞台の芥川賞受賞作を文藝春秋で読んで以来、「泥」とのご縁が出来たようだ。石井遊佳さんの描写は、歯学部生時代のインド一人旅の、強烈なる印象を私に思い起こさせてくれた。
残業半ばだが、せっかくの休日、しかも天気あって、午後より高尾を登りはじめた。
残雪はいつしか泥と化し、泥を貼り付けた靴はいっそう足取りを重くする。
明王峠で陽も落ちた。
暗がりの静寂な山道を突き進むと、「えんどう坂 至 相模湖」と標識にある。地図にはないが、さかんに誘いをかけてくる‥‥「こっちへおいで」と。
すり鉢状の坂道の底には落ち葉がつもり、至って歩きやすい。
おお! この感触‥‥江戸の頃、「足の心」と書いて「足のうら」と詠んだ。
角屋食堂の灯火が、妙に懐かしかった。
「京中へ 地主(じじゅ)の桜や 飛(とぶ)胡蝶(こちょう)宝井其角)」
2018.02.19
芭蕉没の元禄七年に成った「句兄弟」二番の弟句。
兄の句は北村季吟の「地主からは 木の間の花の 都かな」
科学論文の投稿では、抄録や論文に査読員の筆が入る。
其角は点者として今風の「査読」を生業ともしたが、詠んだ心を損なうことなく、教えを乞うた人の句が俄(にわか)に引き立つ。さらには実力をもつける契機をそれともなく与える不思議な魅力に満ちていたともいう。
清水寺地主神社の桜のみごとなさまを詠んだ両句であるが、季吟のさびた古句が、あかるい情景のひろがりにかわる。査読員は人の心の機微をよみ、なおかつ博学な知性情報礼節を兼ね備えていなければならない。
京都大学経済研究所、構造医学財団、国際教育学会開催の「地球環境と生態系」参加の帰途、
清水寺・高台寺へ立ち寄り、
私の敬する学兄 高尾祝文 先生(タカオ矯正歯科句クリニック)を訪ね、臨床談に華を咲かせた。
「駒とめて 雪見る僧に 蕗のた(と)う (宝井其角)」
2018.02.14
高尾の残雪は、アイゼンで雪山縦走したころの野性を甦らせてくれる。
カップルが仲よく手をつなぎ、ところどころ凍てついた山道を上がる姿は微笑ましい。
男性からすれば、頼り甲斐ある存在をアピールするまたとないチャンスと思われるが、カップルによっては逆のケースも見受けられる。
手製の義理チョコを父親に渡した同行の娘に、「よく見習うように」と伝えた(笑)。
「梅が香や 乞食の家も のぞかるゝ(宝井其角)」
2018.02.06
前詞:遊大音寺
春のなんとなく浮き立つ気を詠んだ句
専門医は、診断、予後の予測と段階的な治療計画立案に細心の注意を払いますが、複数の選択肢が考えられるときには、最終の治療計画書を作成するまで、考えて決めるのではなく、俟(ま)ちます。どこからともなく、フト、おのずから纏まってくるのは不思議です。
まさしくこの瞬間、この其角句に似た「浮き立つ気」、ほのかな安堵を覚えます。
朝の目ざめのときや、自然の散策、あるいはシャワーを浴びているときが、私の場合、多いようです。
「纏まるのまつ」、への変容は、臨床生活20年がすぎたころからでしょうか。
「行く年・・・」
2017.12.26
この時節に響く其角の二句
(1)『行く年や 壁に恥じたる 覚え書き』
(2)『行く年も 戸板めでたし 餅の跡』
読み残した書籍は溜まり、雑用も塵と共に積もりに積もって、でも正月を迎えればなんとなく精々するから不思議だ。
まさしく「壁に恥じたる」が習いとなって私は久しい(笑)。
妻の実家では、つきたての餅を大福や鏡餅にするとき、板にくっつかないように片栗粉をまぶす。
江戸の頃、戸板を代用した餅の痕を朗らかに詠んだのが、二句目‥‥粋である。
「ネコのうつぶせ寝」
2017.11.26
ススキが陽にひかり、モミジ・イチョウが色づくと、床暖が恋しい。
乳幼児期のうつぶせ寝は、顔と歯列を細長くする。ほかの兄弟姉妹とはかなりちがった矯正歯科治療の対応を迫られる。
床暖に伏した我が家に出入りする(元)野良猫だが、不自然とも思えなくもない(笑)。
「紅葉には たが(誰が)教えけん 酒の燗(かん)」
2017.11.13
まばゆいばかりのモミジを肴に一杯やれば、顔まで赤く写る楽しさを詠んだ有名な江戸の俳句
今朝はひときわ爽やか‥‥朝から一杯とはいきませんが(笑)。
人せわし 船の揺蕩う 潮の朝
2017.09.20
シカゴから戻り、通常の診療へ‥‥チョット時差気味(笑)。
イリノイ大学矯正歯科学教室主任であり医局員教育を担当されている Dr. Budie Kusnoto (Interim Department Head)と Dr. Flavio Sanchez と二時間ほど情報交換しました。
お二人は、臨床と教育で多忙ななか、イリノイ大学で Foundation for Modern BIOprogressive Orthodontics Program を開催し、世界各国の矯正歯科専門医へバイオプログレッシブを「発信」していらっしゃる方々です。
Dr. リケッツは1947年全米トップのイリノイ大学矯正歯科学教室に入局、5年ほど在籍しカリフォルニアで開業のかたわら、生物学を援用した診断とPrognosis、長期成長予測法や Orthopedicな処置(とくに上顎に対する顎整形的な成長誘導)、為害性の少ない分割ワイヤー法の完成、顎関節の断層写真や治療、筋機能療法の簡素化、Mandibular posturing deviceの再評価、Quad HelixやCervical tractionの開発、客観的なモニターリングによる安全性の担保‥‥と数えると切りのない偉業を矯正歯科界でなしえたひとです。これらを学ぶ機会は、私の知り得る限り世界でも皆無に近くなっていましたが、彼の母校イリノイ大学で続けられていると聞き、嬉しくなってしまった次第です。
嬉しさのあまりに、拙書『An Interview with Dr. Robert M. Ricketts April 13, 1987』を世界各国から集まるセミナー受講生分も含めて多数送ったのがご縁で今回の談話となりました。
かくいう私も歯学部5年時に彼の著書に触れ、この世界にあこがれ、そのまま飛び込んだ者のひとりです。彼のセミナーをアリゾナで受けてから、水を得た魚のように力が涌きいで、そのすがすがしさは今も絶えることはありません。
昨今の日本と同じく、米国でも専門教育をうけていないGPが矯正歯科治療に手を出し、小児患者にまで被害が及んでいる実状は変わらないとのことです。訴訟が当たり前の米国では個別的に方向修正も徐々に成されるチャンスはあるようですが、我が国の場合、大きく道を外れて戻りようがなく、このままでは「医療から除外」されかねません。良心をこころに宿し、かつ歯並び治療にも明るい弁護士に医療の適正化を期待したいと願っています。
また、専門医自身がテクニックに偏る危険性を認識し、解剖学生理学といった基礎学をもとに安全な治療を実践してもらいたいとも心底感じています。とくに専門医に不可欠なのは適切な早期治療。学会主導で早期治療を否定するのではなく、一番困難な早期治療に対して適切な対応のできる専門医を次世代に育てなくてはならないのではないでしょうか?
小児には生体の反応が迅速に現れる分、不適切な医療行為によって将来外科処置を必要とする長顔化や顎関節の病理変性といった医原性疾病が付与される危険性が、成人よりもはるかに高いからです。
なお、医療保健制度が全く異なり保険会社との契約の中で臨床活動を進めざるをえない大学病院であることを考えれば、彼らの教育活動はまさしく献身的であり、しかも奇跡的ですらあるといえましょう。
「残暑お見舞い」
2017.08.14
水打てや 蝉も雀も ぬるゝほど(其角『花摘み』)
娘等と川遊び、ズブ濡れとなってまさに「涼」!
東京とはいえ、山間部は自然が豊かだ。
畑でブルーベリーを摘み、タルトに添えて義父義母の誕生日を祝う。
毎年思うが‥‥盆は過ぎること矢の如し(笑)。
「夏の夜空のビール」
2017.08.01
五月雨頃の卯の花を、「卯の花くだし」と詠うそうだ。
ウバユリもシトシト降る雨に「くだし」くもなくはない。
野鳥目当ての写真家が、「ほら、あそこに子狸!」と道行く人に教えるさまに、微笑む。
“A Principle of Arcial Growth of the Mandible”
と言う論文(1972年)を読み直したついでに和訳してみた。著者は Ricketts R. M.
彼のまとめた生物学原理の70項目くらいを縦横無尽に活用するのが私の矯正歯科臨床。バイオプログレッシブと専門医仲間では呼ばれている。
そのなかでもっとも強力な原理が円錐面上曲線に沿って生物の形や機能が営まれるという、この Arcial growth(弓状成長原理)。下顎骨の成長予測には不可欠な原理。
つまり、早期矯正歯科治療(小児期の歯並び治療)の診断、予後の判断(Prognosis)、治療計画の立案、治療中のモニタリングには欠かせない。
逆説的には、Arcial growthを知らないと、安全かつ予見性のある治療は、つつまずいえば覚束ないことになるかも知れない。
Ricketts R. M.御自身も、たぶん私がまとめ上げてきた生物学原理の中では、自然則(Nature Law)にかなり近いであろう、と述べていたので、若い専門医向けにHPへアップしようとたくらんでいる(笑)。
「夏の夜空のビール」
2017.07.25
一両が 花火間もなき 光かな(其角)
両国川開きの花火大会。鍵屋は花火師、玉屋はそののれん分け。
江戸の豪商らは競って花火を上げさせた。
今年も誘われるままに八王子花火大会へ‥‥
「只今のスターマインは」‥‥スポンサーもこの時代は大変だろう。観客席収入のない中での経済効果は?などと要らぬ詮議を吹き飛ばす、豪快なとどろき!
まばゆい夏の夜空に、ビールと焼き鳥は妙に合う(笑)。
「スムージーダイエット」
2017.07.23
「蜩に 水浴びせしや 石清水」
炎暑わずらわしく、診療後は涼みに高尾の沢を歩く機会がふえている。
夕刻、人影が絶えるとシャツを脱いでは沢水で顔を洗い、タオルをしぼっては汗を拭う。
話は打って変わり今年豊作のプラム。
患者さん方にくばり、ご近所にもお裾分けしてもまだ余る。
毎朝ジューサーにかけては飲み干す。
娘ら、妻にもと、調子に乗って作りすぎてしまう‥‥。
美肌、免疫力アップ、サラサラ血液、利尿、Vitamine C も豊富と聞くが、なんとなく爽快で仕事の切れ味がよいのは、たぶんプラムのお陰と思う。
「棚経や 声の高きは 弟子坊主(其角)」
2017.07.14
学会発表を無事終え、そのまま帰宅戻って迎え火。
Biological Principle と Biological law との相異に迫る質問も頂き、感謝感謝‥‥であった。
Law(天然則のなかの「自然則」)は、あらゆる状況の下で成り立つ。
でも、臨床で駆使されるのは先人先哲の伝え残したPrinciple(生物学原理)である。
まわりの状況に照らして適用して差し支えないと判断される、プロッフェッショナルジャッジメントの基盤である。したがって「概ねの状況には適用可能だが例外もある」判断基準。
自然も、そのなかで暮らすいろんな生物も、ヴァリエーションがじつに幅広いからである。
迎え火は 夕日も照らす 涼みかな‥‥そんな駄句が浮かんだ。
「七夕や 暮露よびいれて 笛をきく(其角)」
2017.07.11
「暮露(ぼろ)」は有髪の乞食僧(コツジキソウ)。虚無僧で、梵論字(ぼろんじ)ともいう。
シットリした其角句に、『笹の葉に 枕つけてや 星むかえ』もある。牽牛・織女の二星、その会合にあわせて今の世も願いごとをすること、粋である。
来週は東京矯正歯科学会。
下顎骨の健全な成長発育は、矯正歯科治療の大きなポイント。
先人の業績を尊ぶ発表にしたいと、わたしも、七夕にかけて願っている(笑)。
ビューティーワールドジャパンへ
2017.05.24
宮本武蔵二刀一流の兵法の道に、「ある所をしりて、なき所をしる、是則、空なり」とくだりあり。
決まった読みは不要と思えば創造は無限にひろがる‥‥ということで、
ビューティワールドジャパンへスタッフと出かけ、講習会やら各種業者さんの方々の意見を交わして楽しんできました。
森柾ゼミ(森柾秀美さん)では、基礎学に裏打ちされたエステの妙技と心躍る巧みな話術を、
人財(「材」ではなく財産の「財」)の育成と経営の課題に講演された須藤政子さんには、次世代への心の継承の、溌剌とした人生観を学び、
ついでに、気に入ったホワイトニング機器も購入。
仕事柄、医療の様々な学会に顔を出している私ですが、医学会も、創意工夫と若者の熱心な向上心にあふれる
「ビューティーワールド」に一歩出も近づけばもっといいのでは? と思うことしばしばでした(笑)。
写真は、気さくで研究ご熱心な「ブルーム・クラシック」田部 早已 代表取締役と。
たのめてや 竹に生まるゝ かたつふり(其角)
2017.04.20
「頼めてや 竹に生まるる 蝸牛」
スクッと伸びる竹ノコが小径の枕木を持ち上げ、山吹が新緑に映える躍動の春。
この時期、思い浮かぶのが貞享3年、芭蕉の「古池や‥‥」の句。
たまたま其角は芭蕉庵に居合わせ、上五文字で思案中の芭蕉から訊かれ、
「それなら『やまぶきや』がよろしくはありませんか?」と意見した。
きっと、芭蕉は山吹なら景は明るく広がり爽やかな余韻が残ると直観した筈だが、
なにかが気を塞がらせていたのだろう‥‥「古池や 蛙飛び込む 水の音」と決め込み、爾來後代には不思議と受けがよい(笑)。
話は変わるが、生物学をバックボーンにすえた矯正歯科臨床を確立したのは Ricketts R. M.。彼は矯正歯科学の歴史を自然科学と科学技術の二面から語ることの出来た最後の人である。
先人達の業績の良き面を評価しながら、どうして「本題」から逸れていったか、その因をその人の種質、背景の事情、心に芽生えた虚栄心に遡って語った。
「古池や」は、こうして芭蕉も気づかぬ芭蕉の指向性から成ったのであろう。
明星や さくら定めぬ やまかつら
2017.04.16
其角、『句兄弟(上)』一番の解説に、芭蕉と其角の往復書簡(元禄元年)としてそれとなく記され、のちに其角の句集の中では、おそらくもっとも多く収された句。
「・・・山かづら と云し句、山中の美景に気圧(けお)され、古き歌どもの信(まこと)を感ぜし叙(ついで)、明星の山かづらに明ける残るけしき、此(この)句のうらやましく覚え候也(そうろうなり)」芭蕉の素直さはピカイチです。
なぜか「遠近(おちこち)の さくら定めぬ やまかつら」と私は勘違えし、ながらく気づきませんでした。たぶん、山腹にうすく棚引く横雲と、桜との、幾重にも重なる景色をむかし目にしたからでしょう。
でも、ほくそ笑むことしばしば‥‥なかなかだ、と(笑)。
R セミナー研修会 Basic seminar 初回を終えて一息。
アンズ
2017.04.06
花より団子で、実がなったらジャム作りを期待したいところ。
母校の八王子第一小学校に出かけた、
末娘の卒業式である。
壇上に上がった74名が各々の抱負を声高らかに述べて、医学学会の発表よりよほど要を得て堂々としたものだ。
私は「ガキ」とか「ジャリ」のまま地元中学にへ進み、親の期待が薄かった分、さんざ馬鹿を繰り返して、社会に出てからは「ギャフン」と反省を重ねて今にいたっている。
「乳母日傘で育ち、ドット傷つくより、致命傷手前の傷を徐々に負いながら強くなっていく、
その方が少なくとも自然だ」‥‥かつて山本夏彦さんが書いてらした言葉そのまま実行していたことに驚く(笑)。
いしばしる
2017.03.06
石ばしる垂水の上の早蕨の萌出づる春になりにけるかも
万葉集巻八 志貴皇子(しきのみこ)のよろこびの御歌一首。
天智天皇の皇子だが、位階昇進はたまた増俸のよろこびと詮議する学者もいる。
が、純に早春のよろこびを詠った、しらべのいい名歌。
沢を降ればお決まりの温泉だが、今日は受験後の三女を連れての山歩き。
からだが「きしむ」、「足の付け根が痛む」で娘の足取りは重い。
座っているだけで体が壊れる典型が、昨今の受験生かも知れない。
戯れに「おい、滝行でもやっていくか?」、ささやかな祝いは万歩計がよかろうとフト決めた(笑)。
習いの方法
2017.02.28
勉強嫌いを自覚したのは小学校。
何を何のためにつとめて強化するのか?
転機が訪れた‥‥山歩きを楽しみつつ、イヤホーンで医療の講座を聴きながらの筆記。
座学と違って野性の疑問が湧きいで、臨床と知識が結びつくから不思議なものだ。
「哲学の道」は性に合わない。
が、mp3プレーヤにトラベラーズnoteは気軽で妙にシックリする。
美男美女 回り灯籠に 廻りけり(其角)
2017.02.02
灯籠は「初秋」の季語だがここでは問わない。「回り・廻り」は心の迷い(衝動買い)と経済潤滑(余剰消費)である。
年明け、なにも知らずにほとんど衝動買いをした
‥‥アップルウォッチを。
iPhone が必要だとあとから知り、ガラケー派の私は反省。
iPhone を使い廻している娘の一人にペアリングさせろといったら、‥‥「うざい」
今度はほとんど絶望である。
而して、iPhoneまで買う羽目になったが、慣れれば慣れるほど一日の活動時間が増えるから不思議だ‥‥それもそのはず、たぶんターゲットは若い社会人、多忙な若い主婦、スポーツを謳歌しているひとだろう。
たぶん鼠取りの「もち」に絡まったにみえ、庭に見付けたときには毛が
ベタベタ、逃れるべくもがいたのであろうか、ところどころ皮膚がむき出しであった。
小水の出がわるいので、腎臓も芳しくなかった。
「昨日はトータル○○km、今日は○○km!」なんて我ながら驚く張り切りようだが、「どこで茶を飲もう? いや、腹が減ったからラーメン屋に立ち寄ろう」、などと、町中の歩行距離が伸びれば雑念も絶えない。
でも、生活に新たなうるおいがあらわれつつあることだけは確かなようである。
夜光る 梅のつぼみや 貝の玉(『類柑子』其角)
2017.01.19
其角亡き後、女弟子秋色(シュウシキ)らの手によって宝永4年(1707)編集された類柑子。
なかでも、しとやかさあふれる句。
前詞は「元日に真珠喰あてたる人、扇に句をのぞめり、その年、出身の幸あり」。
祝いに因む真珠がお吸い物の貝にあるのは稀。その通り官職に召し上げられたとある。
真珠と言えば「ミキモト」の創始者 御木本幸吉は努力の人。
96歳の天寿を全うした。
早朝近くの森林公園の梅の香りにさそわれた。
なるほど、つぼみは「貝の玉」にみえなくもない。
寝ごころや 火燵蒲団(こたつぶとん)の さめぬうち(宝井其角)
2016.12.28
『俳諧勧進牒(1691年)』初っぱなの、実感のこもる句だ
今年も我が家に捨て猫が‥‥
妻が可愛がるのだから仕方なし、である
鳥を捕る「鳥もち」という樹皮からつくったベタベタのものがあるが、
たぶん鼠取りの「もち」に絡まったにみえ、庭に見付けたときには毛が
ベタベタ、逃れるべくもがいたのであろうか、ところどころ皮膚がむき出しであった。
小水の出がわるいので、腎臓も芳しくなかった。
ようように一命をとり留め、最近は足もとに絡みついては、しばしば蹴飛ばし、
ときに踏んでしまう‥‥申し訳ない、でも悪気はない(笑)。
江戸の冬は凍てつく寒さだったときく‥‥炬燵に蒲団を掛け「さめぬうち」に寝入った。そんな嬉しさをうれしく思えるのがほんとうの幸せなのであろう。
居ついた捨てネコのぬくもりを、「あれ? あいつが寝てたのかな?」と床に就くとき、フト気づく。
損料の 史記も師走の 蛍かな(宝井其角)
2016.12.25
前詞「雪窓」
「損料」は貸し本の借り賃です。
この時期は、買い込んだ書物の整理に追われがち。
生涯読める本の数は限られているのに、買い込んでは部屋が狭くなるの繰り返し‥‥。
江戸庶民の生活は、数寄者(すきしゃ)を除けばこざっぱりのくらし。
久しぶりに「うかい鳥山」で会食。夕暮れ時の沢の音は世事の喧噪を流してくれます。
オーソトロピクスデイ
2016.08.27
第46回オーソトロピクス定例会
開催日 2016年 12月4日 午前 10:00 開会
中央大学駿河台記念館(620号室)
JR御茶ノ水駅より徒歩3分
TEL 03-3292-3111
http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/access/access_surugadai_j.html
《 プログラム 》
◎ 症例検討:テーブルディスカッション形式で8症例
オーソトロピクスによる治療、あるいは異なる臨床アプローチで同様の成果が得られた症例を、さまざまな角度から検討します。早期治療の有効な面、または顔と歯列の成長誘導が、呼吸や筋肉等の環境因子の影響から制約される条件などをひろく検討します。
◎ 技工サイドからの講演&実習
バイオブロック3装置だけでも5000個は越える製作の経験をおもちのオーソデントアイセイ薬師寺克郎さんから、臨床上遭遇する装置の破損と修理について解説。
装置製作や、チェアーサイドの修理に必ず役立ちます。
お申込み:FAX 03-5652-3393 オーソデントラム内事務局宛
電話でのお問い合わせ:03-5652-3322
会員無料・ビジター参加費:5,000(当日受付)
オーソトロピックス臨床、そして医院マネージメントに直結する内容です。
スタッフの方々もふるってご参加ください。
雨雲や 竹と酔う火の ひとあつめ(基角)
2016.08.27
風に揺られる「竹と酔う」なんて洒落た酔いっぷりだ。
ひとこえかければ集う人が近くにいるのも、「きずな!」を叫ぶ今と違って自然。
水木休診のクリニックなので、飯田橋の母校の図書館にちょくちょく出かけては文献・最新情報の収集にいそしむ。とくに雨の日は・・・
ガラス張りの図書館なので、大学の医局に出入りしている知人業者さんが気軽に声をかけてくれ、地下二階の資料室でも別の診療科の知人と挨拶を交わし、夕方は懐かしい界隈で空腹を満たす。
学生時代・解剖の医局時代を合わせれば、かれこれ10年以上は通い慣れた町でもある。
のまんとすれば夏の沢水(山崎宗鑑)
2016.08.25
俳諧の創始者、山崎宗鑑は小姓として足利義尚につかえ、のち尼ヶ崎に閑居、一休に師事し連歌和歌を詠み、俳諧の普及につとめたひと。山崎關戸の院のほとりに移り、天文22年(1553)89歳没、たしかな伝えはありません。
其角の『雜談集(ぞうたんしゅう)』元禄4年、には
「支那弥三郎入道宗鑑は生涯をかろんじて隠徳高く山崎の桑の門(沙門の古語)。・・・瘦労(やせつかれ)たる老法師ひとり庭草取りなどして、そのほとりの池のたたえに水かがみみけるさまを、『宗鑑がすがたをみよやかきつばた(宗鑑をたずね歩いてきた近衛殿)』、仰下されたれば、『のまんとすれば夏の沢水』とつかうまつりける。当意、興ありけるにや・・・」
とあります。
江戸の天才其角がここであげたのは、
「当意、興あり」・・・一句一生のものとすべき即妙ぶり
句意は「夏の沢水のように浅くて(浅薄な世)はどうにも飲めず(暮らすこともままならず)、こうして餓鬼になっているのです」。かれの有名な辞世(宗鑑はいづこへと人の問うならば ちとようありてあの世へといえ)から推して根っからの自由人。自在な俳諧はその表現であり方法のようです。
バーチャルが幅を利かす現代に戻りますが、今朝は沢の音蝉時雨を楽しみ、これから一仕事(笑)。
爽やか沢水なればこそ、世をはかなむ気すらとかしてくれことでしょう。
雲の峰
2016.08.22
よこ雨の 過ぐればもとの 夕映えなり
たまの断食・・・原稿の仕上げ、仕事の難題には欠かせぬ養生術だ。
朝食抜き、(嵐で外出できず)昼食抜きの今日は来院患者さんも少なく、溜まった診断、セファロ重ね作業(頭部規格X線写真を活用した顔と歯列のモニターリング)、技工作業が大幅にはかどった。
が、これはオリンピック陸上男子400メートルリレーの快走・高橋松友ペアーのバトミントン大逆転の興奮によるものか?
・・・内から野性の叫び湧く。
身心鍛え上げたワザは、美しい。
八王子浅川の濁流の上にも夕映え
雲の峰
2016.08.19
沸き立つや 峰(みな)かがやける 夏の雲
診療が終ってほっと一息・・・フトみあげると入道雲。
夏休み・・・暇をもて余した娘どもが、センニチコウを花瓶に活け、目を和ましてくれる。
トマト
2016.08.17
オーお、トマトが熟してるぞ
庭のトマトが熟れてきたのでつまんでは頬張る。
落ちる寸前が完熟。
軽くつまむと採れるので、熟れ具合は指の感触からもわかる。
話題は、抗癌作用。
β-カロテン、リコピン等々の抗がん物質を豊かに含むので・・・という訳ではないが、退職後農業を営む義父も持って来てくれてとても助かる。
苗づくりの準備が冬から始まる、大変手間のかかる立派なトマトは最高にうまい。
みめぐり
2016.08.10
夕立や 田もみめぐりの 神ならば(其角)
夏の日照りは散歩にこたえる。ちょくちょく会う年を召したご婦人から「お互い熱中症に気をつけましょうね」(笑)・・・そして夕立。
日照り続きの元禄の夏、三囲稲荷社(みめぐりいなりのやしろ)に其角が雨乞いのためこの句を奉納し、雨が降ったとのこと。
不思議なご縁もあるもので、学会発表の文献をあさりに先週、日本歯科大学の図書館で懐かしい本を見かけ、今朝届いた大井書店の欧米古書案内にまたもや偶然同書を見付け、早速注文した。
歯科大五年の夏に出合ったこの本は、私が矯正歯科臨床へ進む「決定打」となったが、当時既に入手難のためコピーでRicketts R. M.の思想に触れた。
夏祭り
2016.08.07
「夏の月 蚊を疵(きず)にして 五百両」(其角)
春宵一刻値千金. ・・・蘇東坡( 1037-1101)の詩を市井へ転じた江戸の句。
しかし、
「蚊をやくや 褒じ(ほうじ:西周の幽王の后で傾国の美女)が閨(ねや)の 私語(ささめごと)」なら、
蚊の痒みを、同じ作者が妖艶陰謀策略の世界へと我々をいざなう。
今宵の月が山車と並ぶ八王子祭りをご堪能くだされ。
夕涼み
2016.08.06
夕涼み よくぞ男に 生まれける
さらりと詠んで、夏を満喫。もとより深い意味はないが「洒落てるね。おれもそうだよ」といわせるところが元禄詩商人(しあきんど)の面目躍如。
お中元の舶来ビールに、ステキなグラス。もう一枚はコンビニで衝動買いしたワイン。ふたつに共通のデザインは・・・「かすかな緑のあわせた、あざやかな青」。
内から感動が湧く色・・・たぶん、中学時代にこしらえたスピットファイヤーというU-コン機(エンヤ09エンジンを搭載、甲高い音で気が狂ったように飛び廻る遊びモノ)の塗装だから。
塗料の匂いもよみがえる。
木陰の夕涼みの句について書こうとして、だいぶそれてしまった。
ズッキーニ
2016.08.05
ズッキーニ(Cucurbita pepo)はウリ科カボチャ属
妻の実家では完熟トマトを頬張ったあと、一番採れる野菜だ。
カラフルなサラダから、ズッキーニ&ジャガイモとチーズ焼き、定番のゴーヤチャンプル、ズッキーニ&ツナチーズ・・・と様々な挑戦の続く我が家の食卓。
猛暑に独特の苦みに、からだがよろこぶ。
『うら若葉(1697)』にみる句にも・・・
「鬼のようなる桃隣(とうりん:伊賀上野の出身、芭蕉に伴い江戸に住む)、みちのくにへ下るとて、道祖神にとがめられしかは異例以て外にて、なにがしのもとに介抱せられ漸くにいきのび、心よわき文ども送られしに、力を添え侍るとて」の前詞で弁慶も 食養性(じきようじょうや) 瓜畠とある。
ツルの螺旋は円錐面上曲線を描く・・・可愛らしい。
木もれ日に 足をひたさば 沢の水
2016.07.08
其角の「早乙女に あしあらはする うれしさよ」をもじった句。
炎暑煩わしく久々に訪ねた沢。
ときおり素足を浸し、読書を楽しむ。
岩魚か数匹、それをねらう野良猫もあらわれ、
なんともノンビリ。
ローカリティ再来
2016.06.11
夏彦翁著「オーイどこへ行くの」の一節に『昭和初年小林秀雄が熱狂的に迎えられたのは、歯切れのいい東京弁のせいだった。すでにそのころ総合雑誌の巻頭は、えたいの知れない翻訳調の悪文に占領されていた。』を目にして、しまった!と冷や汗をかいた。
「えたいの知れない翻訳調の悪文」・・・今月上梓予定の書(An Interview with Dr. Robert M.Ricketts D.D.S., M.S. April 13, 1987)の和訳がにわかに心配になったからである。
「料簡」「尋常」「怪訝(けげん)」「不祥」「どっさり」「ぽっちり」「よござんす」・・・・もとより複雑きわまりない諸般をズバリと示す歯切れの良さが自然科学書に見当たらないのは、吹っ切れない何かが科学者の頭を司配しているせいか、感性が萎えて弱腰になったからか?
つかえば言葉も復活、視野も広がる。
写真は鐵線Clematis
片カナあってこその専門?
2016.04.13
「どんな職業でもその道の人と思われるには、その道でしか通じない片カナ語を操らなければならない。操ってはじめてその道の人なのだから非難しても直らない。(山本夏彦さん)」
わたしも、専門はGeneral knowledge をベースにするAdult thinker だとRicketts R. M.から教わった割には、最近ではついに互いに理解してはいないのではないかと訝っている。
歯並び治療では奥歯のアンカレッジを大事にする。
アンカーは錨のこと。前歯を動かすとき奥歯がずるずる引きずられるのを、あの手この手で制御する。
皮質骨に歯の根っこを当てると、組織反応が緩慢なので時間差を利用するのが一番だが、面倒は省いて小さなインプラントを骨に立てて引っ張るのが大流行。でも、骨のどこか?
と問えば、やはり皮質骨。だから最先端を叫んだところで「生物学原理」を我々は一歩も出ることがない。
アンカーのもう一つの意味が「リレーの最終走者」。アナポリス海軍兵学校では転じて、「落第せずビリで卒業する人の祝い」・・・首席も祝えばギリギリセーフも祝う、ともに特技だから祝って一同和む(笑)。
芋の葉に 命を包む し水かな(其角)
2016.04.08
雫を目にすると浮かぶ句だ。
ひとが人様の命を補完できる医療の場面は救急現場しかなかろう、と睨んでいる私は「いのち」って、なあにかな…と歌に詠んだ古人の英知に気づかされることしばしば。
この句を眺めてまず気づく…欲がない。
詠んだ本人すら句から消えてすがすがしく気品あり。
欲と命を絡める現代日本人の常識が稀薄…澄んで清らか。
「清水」もいいが更に「し水」となると水玉がうかぶ。
生命活動はすべてが水を媒介…そんな理論をあしらう美しき水玉。
「し水」は、あたたまりにくく冷めにくく、しかも程良くまとまる。適度な環境保全と凝集蒸散。重力に、時に抗し時に沿う大らか生き様。
生命系全体の連帯をおだやかに諭す「包む」。
広く伸びた葉の水滴のまばゆい輝き。
芋は甘く葉は苦い…人生の味わいを「芋」と「葉」の二文字に託し、根を張る地から微量金属までの養分をたっぷり吸い色鮮やかに育つ、そんな見えない動きもさらりと盛り込む。
「かな」に余韻を残し、「後生の方々は是非とも直に味得されたし」とほほえむ。
十七文字の詩(うた)をほぐせば広がりは尽きない。
「踏青(とうせい)」の贈り物をある方から頂戴した:春に青草の上をあるく古代中国の風流。野山に萌え出る草の精気をいただく野遊びが「踏青」。古代の風流は今の日常にも欠かせない…診療前の今朝のひととき。
この花は?
2016.04.06
天気に誘われ高尾の山へ。
とくに沢沿いの道には植物があふれるが、花の名前をなぜかよくきかれる。
しかも植物図鑑本を片手にした熱心な人から…
覚えても忘れるのが常の私は、「花もどうせ自分の名に興味などあるまい」とみずからなぐさめ、その香り、ひんやり湿った空気、沢のせせらぎを愛でる。
だから図鑑と現物を照らし合わせている人に、きかれる前にきくよう、このところ心がけている(笑)。
上から、ハナネコノメソウ、モミジの花、ニリンソウ。
家族愛
2016.03.30
後片付けに追われのを特技のひとつと心得て久しいものです。
診療後そのまま診療所に籠もるはめとなるのは、日常茶飯。
家に戻ると「バナナ食べごろ」とあり、春休みで暇をこく娘
は食卓に慣れぬ手料理。
「家族愛」ほどわからぬものはないから普段無縁ですが、それらしきものをみつけました。
柳には 鼓も打たず 歌もなし(其角)
2016.03.30
しだれ桜は例外か? でもたしかに柳の下では和むはずの宴も盛り上がりは半減しそうだ。しかし、「蝸牛 豆かとばかり 柳かな」、「川上は 柳かむめ(梅)か 百千鳥(ももちどり)」、「山吹も 柳の糸の 孕みかな」。彼の名句には柳がほどよく読み込まれている。
こひがんも 墓にむかえる 独りごと
2016.03.20
彼岸中日、昼に仕事を終え菩提寺へ足を。
亡母への手向けの花に、昔の反省が頻りと浮かぶものです(笑)。
饅頭で 人を尋ねよ やまざく(其角)
2016.03.18
風流に詠むなら『饅頭で 人をたずぬる 花見かな』。
宝井其角の句には、其角自身がいない、本人がいない・・・
それが天才者と凡庸のちがいかもしれません。
プラーク顕微鏡検査用のCCD カメラが本日到着、
(うすくなった)髪の毛のキューティクルなど眺めていました(笑)。
人の世や のどかなる日の 寺林(其角)
2016.03.17
ノンビリ散歩のR セミナー:専門医向け合宿セミナー(四期生)を「アトリエ新藤」にて開催。小春日和の快晴とあって、ランチは一同森林公園へ。
アトリエでは臨床話に花が咲き、
木立のもとでは世間話がはずむ…
いささかハードな二日間。
(写真はハヤブサ、猛禽類らしき透き通る目が、なぜか涼む)
はまぐりの 焼かれてなくや ホトトギス(其角)
2016.03.15
冬のあいだ砂深く潜っていた蛤。暖かくなると浅瀬に顔を出すので、季語では時鳥の仲間となりましょうか。
江戸では「蛤鍋」も親しまれていたそうです。
一番は、醤油をたらして汁ごとすする焼蛤かな。
奥多摩、丹沢の山々がうっすら雪化粧の今朝でした。
春雨や ひじきものには かれつつじ(宝井其角)
2016.03.07
春雨の今日はスタッフともども健康診断。
内科診で、お医者さんから「心音から察するに持続力ある心臓ですね!なにか運動をやっていたでしょう?」と訊ねられて一時の歓談。
矯正歯科研究会後の昨夜の酒宴が、血液検査値にどう反映されるか??
・・・・ すこし怖くなくもありません(笑)。
狩りをするサル
2016.03.03
友愛=敵意の複合心理
『狩りをするサル ---人間本性起源論』
ロバート・アードレイの著書です。アードレイ氏は、シカゴ大で生物学を専攻した劇作家、リーキー、ブルーム、ダートらのアフリカの人類学者やコンラート・ロレンツ、エリオット・ハワード(「なわばり原理」を述べた英国の実業家、鳥類学者)らと親交を重ね、人類学の立場から今の社会問題に切り込んでいった人。すぐれた劇作家は人間心理を幅広くとらえ、ときにその才は古聖古哲を俯瞰します。
彼を高く評価し紹介してくれた人物がリケッツ先生(Ricketts R. M.)。政治、経済、国際紛争から、医療界の末節的な派閥闘争にいたるまで、アードレイはいつも気づきと勇気を与えてくれます。そのなかの一節・・・
『狩猟社会が暴力をもって、みずからのなわばりを守ったことで、チンパンジーが知ることのできなかった心理的団結が生まれたのである。「国家の安全のため」という大義名分は、良きにつけ悪しきにつけ、さまざまな個人的問題をかかえた国民を一致団結させるために、今日でも使われる手である。大昔の狩猟社会はとうになくなったが、「友愛=敵意の複合心理」は、いまだに、すべての政治家たちの道具箱に大事にしまいこまれていて、人間(わたしたち)の心にある一般的な性癖として残っているのである。(徳田喜三郎さん訳)』
原文 The Hinting Hypothesis ---- A Personal Conclusion Concerning the Evolutionary Nature of Man Robert Ardrey
『(While some scientists are quite correct, from an ecological point of view, in asserting that there is little difference between the holding of an exclusive group territory through avoidance or defense, psychologically they are far off base. ) The physical defense of a territory on the part of a hunting society meant a psychological union that the chimpanzee never knew. An appeal in the name of national security is a device we still use --- legitimately or otherwise --- to unite a people afflicted by domestic differences. Our old-time hunting societies may long since have vanished, but the amity-enmity complex still rests in the tool-kit of every politician, still remains as asocial propensity of the human mind.』
梅が香や この一筋を 蕗のとう(宝井其角)
2016.02.26
夜半からの雪がうっすら積もった髙尾の山々。
片づける予定の診療所残業は、翌日へ持ち越しとなりました(笑)。
散る花や 踏皮(たび)をへだつる 足の心(うら)
2015.04.14
このシットリした句、『五元集』の“明句”「花に酒 僧とも侘びん 塩肴」のまえに配されているのがミソです。
心を「うら」と言うとおり、五感を介して歩くと、思考はととのい、過剰なストレスから解放されることは暮らしに染み入っていた養生。
「散る花や」につづき、春の陽気にあわせて、螺旋をギュッと巻いていたカリンのつぼみがひらきはじめました。
人の顔や歯列の成長と老化は、端的には複数の螺旋の組み合わせ。
機能と構造はその結果。
それを形状とみれば、円錐。動物、植物・・・・ともに例外はなし。
その人固有の螺旋がわかると、矯正歯科臨床手技は、飛躍的に高まります。
「自然から学ぶ」とはこんな消息を堅苦しく表現した言葉でしょう(笑)。
花さかり 子であるかるる 夫婦(めおと)かな(宝井其角)
2015.04.12
元禄の『延命冠者(えめいかじゃ)千々之丞』に収される句。
「この道をおもてとして裏座敷をかまえ・・・・品川の沖よりかみつさの山並み富士扇影の夕日漁舟の月に心すまし・・・・」と流れるがごとき序の後に、一十竹らと巻いた中にあります。
桜も、シダレザクラが盛りとなり八重もつぼみをまさに開かんばかり‥‥写真はモミジの花、鮮やかな若葉の緑に吸い込まれて意外と気づかれていないようです。
土手の馬 くはんを無下(むげ)に 菜摘かな (宝井其角)
2015.04.06
春休みの娘らは、妻の実家に泊まり込み、連日のごとく菜摘やら草餅作りに励む、というよりは遊びほうけていました。
ヨモギまんじゅうを土産に帰ってきて、さあ、新学年。
賑やかであわただしい日々が我が家では、またはじまります。
※其角のこの句は、木下長嘯子(ちょうちょうし)の『挙白集』の「いかなれや、野辺に刈かふあさくさ(浅草)の、くわんを馬のはみのこしつる」を踏んでいますが、くはんを無(Kahannomu=浅草の観音さま)の地口が利いています。「土手の馬」は、その昔、吉原通いに使われていた山谷馬、いまなら専用タクシーといったところでしょう。
黒胡麻で ここをあへぬか 土筆(ツクツクシ)
2015.04.02
江戸人の秀でた句は、型にはまった「正解」をなんにも求めません。機が熟すとその人折々に、おのずと「ああ、そうだったんですね!」と詠める楽しさにあふれています。
心機一転、診療所の移転を機に「新藤矯正歯科クリニック」から「まちの歯ならびクリニック」へ名前を改めました。「矯正」の言葉が、海外の臨床家が提唱した“理想像”に患者さんを嵌め込んでしまう昨今の趨勢に、なんとなく違和感を抱いていたからです・・・・。
生物界の豊かなバリエーションを眺めれば眺めるほどに、ちっぽけな理想像は、「思い込み」の産物かも知れません(笑)。
話はまたしても飛びますが、今朝の森林公園。思いもかけず、公園の片隅にステキな花壇を世話していらっしゃるご婦人のご主人と、話を交わしました。お孫さんの歯並び処置を拙診療所(20 年くらい前)で完了したのを知ったのは、ついこのあいだ。ご縁は不思議なものです。
その御方が、「ここにも土筆がありますよ。」
世間の煩わしさを尻目に、じつに、可愛らしく育つ姿にハッとしました(笑)。